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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

糸ギリギリ

2016年04月14日

今日も整経の作業で糸がギリギリ。糸というのはロットが混じるといけないので、チーズワインダーできっちりと割って糸量を計算して、整経を回す。一バンドでも失敗すると、糸が足りないことになるので、糸量が限られている場合には織るときのリスクよりも整経のリスクの方が高いと思う。縦の柄物の場合など、糸をカウントして割って、結局少し足りないとかだと、すべてカウントを少なくして本数が予定通りなるように割らないといけない。

林与の場合は、縦糸は2割多く用意する。染める場合などにも、リネンなんかの場合には5パーセント重量的には少ないのが普通なので、染め行程のロスを考えると、1割くらいのロスを見ておかないとならない、原糸を用意するときに、縦糸の場合は、織物長さに対する理論値よりも、3割ほど多い量の糸をよういすることになる。

このロスを少なくすればするほど利益は上がるが、失敗のリスクも高くなる。だから3割という多い目の糸を用意しておいて仕事をする。白無地とかだと失敗のリスクは少ないので2割で十分だろう。柄物で試作やドビー柄の場合、織りでのロスも大きくなる。

加工ロスについても考えておかないとならないが、縦に引っ張り気味の加工の場合には、縦はあまり縮まない。横方向が、キバタ幅から15パーセントくらい縮む。太い糸の場合には、織物というのは縦糸が横糸を包むようにおられていくので、縦糸を計算するときに、1割以上、織りでの糸ロスを見ないといけないこともある。

織物を企画するときには、こういうことを理解していないと、糸の準備すらもできないので、計算計算なのだ。織物業界で年配の方が生き残れない理由のひとつに、緻密な計算をこなせないということがある。昔の作り方だと、いつも十分な糸があってとか、いつも決まった量であったりとか、計算があまり必要なかった。


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