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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

代替

2016年05月09日

タカタのエアバック問題、もともとインフレータの爆薬は、アジ化ナトリウムだったのが、毒性の問題で国内で使えなくなって、硝酸アンモニウムに変わったということらしい。硝酸グアニジンは日本ではいろいろな規制があって使えなさそう。チョイスとしては硝酸アンモニウムしかなかったんではないだろうか。

日本という国の中で、使える薬剤に、いろいろと制約があって、それが制約の少ない海外に出ると、バッドチョイスと判断されうる。日本人が日本の法律に従って薬剤を使っても国内規制があって国際的に使用が認められている薬剤が使えないことで、企業判断が間違っているとされてしまうのは、危うさを感じる。

先代の高田重一郎氏が、エアバックの開発の当初、普通の部品の千倍もの精度を要求されるエアバックを扱うことで、万が一があると会社がつぶれるとリスクと責任の大きさををよく理解していたのは聡明で、かつ、利益の前に目がくらんでいい加減なことをする人でないのもそういう逸話からわかる。日本のように行政が制約をいろいろと掛けて、チョイスが少ないと必然として今回のような問題にも繋がりかねない。

これはエアバックのような問題だけでなく、繊維の製造に関してもあれが危険これが危険と判断が分かれることがあるが、長年の実績のある方法というのまでもが禁止される。それまでベストではなかった別の新しい方法がどれほど安全なのかも検証をされずに移行を余儀なく迫られるときに、エアバックと同様の問題は起こりかねない。染料が廃番になったり、薬剤が廃番になったりが織物加工工程でよくある、長年やってきた安全への実績が揺らぐ要因になる。

今、アゾ染料と呼ばれるナフトール染料などは発がん性が疑われるということで日本では1970年代に日本の染料メーカーは製造を中止した。もうあまり出回ることの少なくなっている染料ではある。天然のアゾ染料である「茜」は草木染では人気のあるカラーだが、草木染をやっている人でも天然の茜に発がん性が疑われるなんてのを知っている人は少ないだろうとおもうが、天然に優る安心な色素があるのかとなってくるとどうなんでしょうね、ということも考えながら使う使わないの判断していけばよいだろうと思う。


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