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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

パンチカード

2016年08月26日

インターンの9日目。今日は、朝からドビーのフィルムカードの説明。組織とは何ぞやの部分から入っていく。組織自体の理解はそれほど難しくないけども、フィルムカードをつくることは案外、熟練のコツが要る。パンチングは難しくなく、難しいのはフィルムカードの接着で、接着専用の装置もあるようだが、林与ではボンドとホッチキスが活躍している。綺麗にホッチキスで留めるのが難しいのだ。この作業も私の会社できるのは昔から私だけだったりして、毎回神経を使う作業の一つ。インターンの子にできるかなあの仕事でやってもらうとやはり無理。

今日はお昼、1時間ほど小幅織機の調整。これでは織るのが難しいだろうと思う要素がいくつかあって順番に調整を掛けていく。モンキーレンチなどの基本的な道具が足りず、途中で調整を断念。現状の判断からすると織機の部品が一箇所足りていないから調整が難しいと判断している。なぜ足りていないのかは疑問だが、それがないゆえに調整に無理が生じているように思う。たぶん、錆びていて使えないと外されてしまったからだろうか。伸度のある綿糸ならそれは無くてもほかの部分の調整でなんとかなるのかも知れないが、麻だと難しいだろう。林与にある織機とはタイプは違うが構造は似ていて、よりシンプルで大きさも小さいので普段触っている織機と比べると可愛い。

午後4時くらいからつくったカードをセットして、シャトル織機を動かす作業。ちょっと自分で織ってみてということでインターンのSさんが織る。しばらくするとハプニングで、織機に問題があったとの報告。見に行くとアンダーモーションが左右3箇所外れる。あちゃー、今日は寝不足で体力がかなり落ちてしまっていて、これを私が直す役目がまた回ってきたと思いきや。これをはめればいいのですねと自分で直してみるというので、1時間半林与は睡眠休憩を取る間に、直せるなら直してみてと任せてみる。6時に織機を見に行くとアンダーモーションの部品が曲がってしまったようでそれを直してくれていて、最後、力の必要なはめる仕事は無理そうなので私がする。

アンダーモーションが直ったあとも平織りとは違ってフランス綾のような変形組織なので、糸のテンション差が出てたて切れがいろいろと起きる。それを直してもらうこと2時間、何事もなかったかのように織機が問題なく動き始めた。直して織っても糸が切れて直して織っても糸が切れて、根気の必要な面倒な作業だけどもそれを経験してもらって、毎回こんなものだと当たり前にこなしていけるのが織物の仕事。それを今日は時間をゆっくり使って経験してもらった。


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