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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

能力

2016年11月04日

仕事というのは誰にでもできるものではないと思うのは、覚悟の問題から始まる。今の時代には小学生が最初にミシンを触ってかばんを作ってしまうが、大人というのはその覚悟がなくて最初からできないのが当たり前みたいなところから始まってしまうケースが多い。今の学生さんたちというのは優秀であって、初めてのことでもすんなりとできるのだが大人がどうしてなのと思うことが多い。

林与は小さい会社なんで、私が決めることがほとんどすべて、逆に大きな会社の方と話すると自己決定が難しくものづくりの会社機能が成り立っていない気もする。特に小さな費用も検討しないといけないとかは、費用を最低限に抑えて最大の効果を出せばそれは検討の余地すらもないことだと思うのだ。普通は費用以上に自分が何十時間もインプットするから費用は無視できるような範囲であるが、規模が大きくなると自分自身のインプットがなくなってしまうからだろう。

私の場合には、試作材料費なんか自費で済ませることも多い。何かするときに答えをださなければマイナスであるという自分に厳しい考え方。何をやって答えがでるかとうのは自分だけでなく外の評価もあるので、とりあえず、いろんなことにインプットして何が成果があるのかをトライアンドエラーで見出してゆく。結果が出て成果がでれば自分も食べてゆける。

小さな会社の場合は、会社として外から見て特別な感じがしないと、普通の会社に見えたらそれで終わりかもしれないと思う。産地でも、ある会社の社長さんが、私にこの産地は織物工場はゼロになると断言をされていたが、生産規模からすると実質ゼロに近い状態であるという裏返しであろう。もう、実際に織物を織っている工場は林与のほかあと数件。技術と創意工夫をもって魅力的な麻織物を生み出せる人がいなくなれば、織りにしてもデザインにしても他で代替できるような辺りになってしまう。

ものづくりしてもそれを流していく販路をもっていないとなかなか難しい話である。今は、既製服で、1着が10万円を越えるようなものが国内では流れにくくなっているので海外を目指してゆくべきなのだろうなあと考えている。海外にこだわるというのでもなく、自然に流れてゆく場所を探してゆくと海外なんだろうなあと思える。楽しみにしているのが林与のオートクチュールを目指すライン。量産可能な一点ものとして現物商売で提案をしていく予定。まだ、準備段階であるが日本のものづくりの歴史も詰め込み無限の可能性を感じる。


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