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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

巻き取り

2018年01月02日

今日は夜に整経の巻取の作業。荒巻ドラムに巻いた糸をビームに巻くのだが、シャトル織機が右ハンドルでヒガエが左側にあるので、シャトルの糸がシャトルから出てくるのが中心よりも右寄りになる。具体的には織機の中心よりも糸の中心は13cmほど右にずれることになる。これが曲者で、織物の幅が狭く、整経の回数が多いと巻き取り位置がどうしても左側になってしまうので、この糸のセンターラインを切って織物の端が左側に割り込むと理論的に片四と呼ばれるシャトル織機では織れないことになる。

これをクリアするためにできることはいくつかはあるのだが、ひとつは、反対用のシャトルを使うこと。ヒガエのない織物だとこれで解決できることが多い。でも、今回は巻き取りを反対回転で巻いて、ビームをひっくり返すということで、ビームの巻き取り位置を右側にずらすことにした。

このときに、なぜ座布団の会社では巻取りの回転が逆なのかに気がついた。整経機は幅が広く、織物は座布団なので幅が狭い。たくさん巻くと同じ問題が起こって、右と左のシャトル織機を使っている機場では、逆回転でないと巻取りが難しいことになるからではないのかと推測した。逆回転の場合には、便利なこともあるが、一番怖いのは髪の毛の長い人やエプロンの裾などが巻き取る糸に吸い込まれる危険性があることで、昔、ある座布団工場では巻き取り作業で女性が3人亡くなっているという怖い話。

現場というのは厳しくするとついて来てくれないかもしれないが、厳しく言って常に言うことを聞いてもらっていないと、失敗が多いだけでなく、不注意な状態では怪我をしたりすることも多くなる。厳しくするなみたいな仕事スタイルがどれほど働いているものの危険認識を低下させるか、ゆるい気持ちで仕事をして大怪我をしてからでは遅いのである。織物の仕事は危険といってもスポーツと同じ程度だろう。シャトルが飛び出すのはゴルフのボールが飛んでくるのと同じことであり、ゴルフのスイングは周囲の安全を確認してからするとかそういうレベルの話なのである。水泳とかのほうが溺れ死ぬこともあるので危険ではある。

織機を扱うときにも、最初多いのが、動作ボタンの上に手を置いたり乗せたまま、他の人が作業をしているのを見ているとか。そういうのが気がつかないと体重が掛かっただけで急に機械が動き出すから危ないのだということを説明しないと、初めて織機を使う人や見学の人がやってしまうことの多い危険。シャトル織機に関しても動いているシャトル織機からシャトルが飛び出す可能性を常に考えて立ち位置なども大事である。こういう心配性なことを現場の人に注意するとうるさそうにする人もいるけどそういう人は現場には向かない。なにごとも注意していれば安全なのだが、軽く考えていると一回の事故が大きなこととなる可能性がある。また、一台の織機を二人で分業でするのが、楽しく仕事ができるので、はじめての人に多いのだがこれも本当に危険で、織機はできるかぎり一人が動いて一人で作業するように注意することが多い。例外的に二人でする作業もあるけどもそのときには完全に織機を動かさない想定での作業のときだけ。

今日の巻き取りはなんとか最後のほうまで巻き取り、初めてのことだったがモーターの回転を反対にしてうまく巻き取ることができた。そのほか、今日はチーズワインダーの場所の蛍光灯をLEDに交換、グロータイプなので、グロー球をはずすだけでそのままLED蛍光灯が使える。センサーLEDにしたので使っていないときは消灯の節電タイプ。前よりもかなり明るくなってかせをチーズアップする。


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