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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

信用という言葉

2018年04月24日

相手を信用するという言葉があるけど。お金を貸すことを信用という。物を売って後で代金を貰うとか、先に仕事して後でお金を貰うとかも信用である。お金を騙し取られないと信用する部分が「信用」なのだろう。この信用が、そもそも通貨の成り立ちである。通貨というのは借用書が世の中に流通しているようなもので、ただ単にお金を印刷するだけではお金は生まれず、誰かがお金を借りることで市場にお金が流通することになる。

手元にお金がなくても将来払うからということで買ってもらってものが動けばそれは商売ができたということになるが、約束の代金の回収時期になってお金が払えないというケース。手形決済が多い繊維業界ではよくあると今まで聞いていた話だが、私自身は今まで一度も経験したことがなかったが催促をしても代金の回収が難しいケースに初めて遭遇している。

金融のプロの人たちは、代金を支払わない業者の存在は当たり前に考えていて、そこで成り立つのが商社という存在だったりする。ものを業者に直接売らずに、商社経由で販売する。代金は商社から支払いがあり、商社はものをかった商社のマージンを乗せて業者から将来のある時点で代金を回収する。

国際的な話だと、中国のリネン紡績メーカーがイタリアの企業に糸を販売して代金が支払われないケースが頻発したとか。日本企業だったらまずありえないだろうけど、イタリアの企業だとそれをやって会社を畳むところもあるあたりがイタリアなんだろうけど。日本というのは、世界で一番、代々続いている企業が多い。それって商売の成功という意味では、一番すごいことじゃないのかと思うけど。戦後は代々続いていた企業、経済発展の後、商店街のお店とかが消えて行く流れが確実になった。

マイナスな商売でも商売をやってること自体が、ゼロよりもよい状態なんだという認識がないと。マイナスな商売が社会全体のプラスを支えている部分があるんだけども、ゼロを求めると社会全体がゼロになってしまう。働く意味ってそこで、みんなが働いていると社会全体はプラスになってゆく可能性はある。

大学のミクロ経済とマクロ経済でも、学ばないことだが、ミクロ経済的にもマクロ経済的にも働かない状態がプラス効果ということはありえないが、なぜか、政治や経済学者は、マイナスに目をむけ、ゼロ目指してしまう動きがある。プラスがマイナスから生まれているというところに気がつかないといけないんじゃないのかなあと思う。1つの100プラスのところが100の1マイナスを生み出してしまうということ。100のプラスを生み出すところが、他にプラスを撒けるのかというと、プラスばかりを掻き集めて、マイナスを撒くのがありがちな勝ち組パターン。

私は例外も知っているが、それは一つの会社規模だと難しく、会社を支えているような担当者レベルの個の器量なのだろうと思う。繊維以外の分野だけど、大きな会社に家族経営規模のような暖かみで接して下さる方がいて繊維の業界もそういう形の統合ならありなのかもと思う。


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