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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

充実感

2018年05月21日

今日は東京方面からのお客様、お一人は山神シャツの山神さんで、もう一人はお友達の方。シャツ作りの山神さんと室内装飾の方、織物の林与の3人なのだが、なんか、目指しているものが境遇も規模もそれぞれ違うけどもものづくりに対する高い意識が共通していて、林与の動きも応援してくださっている。

山神さんはいつも3ピースに近い格好で生活をされておられるそうで、そういう辺りも自分が理想とされていることを貫いておられ、その世界を育まれておられる。シャツ作りに費やされている時間がほとんどでいつもシャツのことばかり考えているとおっしゃっておられ、雑用、下積み的なことを今も当たり前にこなされるから仕事に対する価値観がぶれるところがないのだろうと思う。

日本の洋服の業界の中でも山神さんのやっておられる世界というのは特殊な世界に入るのだろうと思うが、そういう特殊な世界というのは違う価値観から生まれて違う価値観に支えられているから成り立つんだろうと思える。私自身もたかが麻機屋ではあるけども、麻布をつくる世界というのは特殊な世界になりつつあって、違う価値観を持っていないと維持して行くことは難しいだろう。

私自身、織物やっているんだから、自分がすごいと思うことをやってみようと、やってみているのが広幅絣織物の世界。すごいことやっても儲かるとかじゃなくて深みにはまることが多いけど、深みにはまってみると、普通の仕事の見え方も変わってくるだろうと思う。絶対に無理と思っていたことができるような目から鱗が広幅絣の実現。

そういう世の中にない織物が、惑星直列的な要素あって現実的なものになって生まれてくる。惑星直列的な要素の一つが欠ければ現実味は極端に落ちてしまう。お金を求めないで動く世界が一番超えて高いものづくりにつながっているというのも。利益とか考えると一つ一つが限界とぶつかる。目の前の作業に没頭して無心になったときに誰もがたどり着けないアートやクリエイティブな世界にたどり着ける。物に価値を詰め込み、価値を生み出すためには普通と違う価値観が必要なのだろう。そういう特別な世界は評価が分かれるところだけど、あってもよい世界だと思うし、今の繊維の高級な世界というのがラベルや広告じゃなくっての本質なところに通じる。

海外の高級ブランドのデザイナーさんやいろんな素材を見てこられた繊維業界のカリスマの方にでも、布の価値観とは何かを語る田舎のおっさんがいても良いじゃないのかと思う。私が子供のころ、NEC、日立、富士通、東芝に比べて、2流だったシャープという会社が、私がものづくりに憧れた会社、一流企業になって成り立たなくなったのが残念で仕方ない。でも、わかる、シャープがものづくりじゃなく、営業でコピー機を売ろうと代理店に投げた。シャープのコピー機の斡旋の迷惑電話多かったから、買収されてシャープのコピー機販売の迷惑電話なくなった。


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