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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

手織り

2018年05月29日

手織りというのは楽しいと感じてもらえることが多く、そして、それほど難しいものではなく。楽しみとして作業ができるところがある。一方で、アパレル生地の生産というのはシャトル織機やレピア織機を使ってつくるのだが、作業する人は仕事として苦になってしまうことが多いようである。

手織りというのは自分のペースなのだが、機械織りは機械のペースだからだろう。機械のミスの面倒をみることになるので、面倒を覚悟していないとなかなか仕事にはならない。手織りの場合には麻糸でも切れることは少ないので自分のリズムで織ることだけに集中が出来る。手織りは自分を生かせる部分が多く、機械織りは我慢しないといけない部分が多い。同じ織物でもかなり違いがあろう。

その両方を両立させることは案外難しいのである。たとえば、林与が仕事で手織りをしていたらアパレルの生産は難しくなる。アパレルの生産は、どれだけ機械の面倒を見るかに掛かっていて、織る作業そのもの自体はそれほど負荷の掛かることではないが、それをどう並行して行うかということに尽きる。また織機の調整が主な仕事になってくる。手織りのように張り付かないといけない作業が生まれると、他の作業を並行してすることは難しいのではあるが、手織りしながら織機が止まったら動かすという形なら、織機を動かしながら縦つなぎするのと似ているのでできないことはないが、手織りした織物の安定性がたぶん落ちるだろう。

織物の仕事での第一難関は、糸を結ぶ機結びという結び方。糸の種類にもよるが、麻糸は機結びが非常に難しい。強く結ぶと切れたり抜けたりすることが多いから。機結びが苦痛でなくなるのは、たぶん、現場で1週間くらい作業した後くらいから。手が糸を結ぶ道具になる。上手な人の機結びと下手な人の機結びでは同じ機結びでも形状が異なる。その違い細番手の麻織物を上手に織るためには本当に大事。


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