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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

2018年05月30日

今日は、雨が降って肌寒い。Tシャツと短パンでブルブル。気温に合わせて服で調整するもよいけど。まあ、体が気温の変化にある程度適応できるようにしておかないとオールマイティには動けない。基本作業していると動くので寒くはなくなる。体を動かすのが面倒に思うことが多く、体を動かさずに頭で仕事みたいな考えになってしまうけど、体を動かしていることが結局健康につながるものである。たぶん、一日工場の中で織機を動かせば5キロくらいは歩いているだろう。

先日、繊維の仕事は仕事に見合った工賃がもらえないという話が出ていた。その見解は正しいのかもしれないが、どう解決してゆくべきなのだろうかを考えるときに卸先に工賃の値上げ交渉をしたところで限度はあろう。よい頃の時代と比べると流れる量が昔の10分の1とかになっているので、工賃を2倍にしてもまだ足りないとかの話も多いだろう。自分で作って自分で値段を決めて売る部分をもてばそういう不満もなくなるだろう。また普通の仕事は生産性を上げて同じ時間の中でも2倍3倍仕事して差をつけるとか。通常の織物よりも難度が高い麻織物の場合、できる人とできない人では10倍の差どころか、働いていても仕事が正しくないとマイナスもありえるからそういう状態から抜け出さないとならない。同じ時間の中でも海外では作れないような難しいものを正しく作れるとかなら仕事の中に自分の存在価値を埋め込めるだろう。

昔、アメリカでホストファーザーに、アメリカで学生の頃、織物の話をしたときに、需要が減っているものに一生懸命になってやっても無理があるとストレートな結論を持っておられた。繊維とかそういう枠にとらわれず旬なものを手がける考え方である。アメリカらしい雇われ経営者的な考え方でもあって、一般的には正しい話だと思うが、考え方が一般的になってしまっては、難しいだろう。経験もあって技術もあって、伸び白がないという状態が終わりな状態に近い。同じことをやっているだけで、仕事が減って同じことをやっていては、難しくなるのも当たり前で、仕事が減った分、新しいことを考えてやって行かないと仕事していないと同じ、できること考えて行かないと。考えるだけでなく、自分がそれを実行して行かないと。実行するのを他の人に期待してもそれをできる人を探すのが難しい。ホストファーザーは自分で業種の壁を越えて旬なものを取り扱われていたので、それはそれで苦労がある、結局は、方向性は違えど、打開して行くというのは同じ結論につながるのではないのかと思う。

国が豊かになるとものづくりが難しくなり、国から逃げて行く。県内の会社さんで繊維製品だが自社一貫生産で有名な会社さんがあるけど、その会社を私よりよく知っておられる方の話だが、そこも中途の材料を購入から始まるのでどこまでが国産なのかも分からないという成功しておられるにみえる裏の話を聞いたりもした。昔からありえないPRとかが繊維では多く売るためトークは嘘で塗り固められた世界。手の込んだことをしっかりやるという方向よりも、トークで商品価値を高めればよいというテレビショッピングには多い世界。

林与にお越しのお客様が、林与の一番の特徴はなんですかと聞かれて、案外普通に思えるかもしれないが、私の答えは、「自分の工場で作っていることや、産地でつくっていること」だったりする。たぶん、アイリッシュリネンとかフレンチリネンとかの言葉が素敵に響くのを期待しておられたのだろうけど、軽々しくは、アイリッシュリネンとかフレンチリネンの言葉を使いたくない事情がある。


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