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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

織機とコンピュータと自動車

2018年09月02日

織機のメカニズムを応用して初期のコンピュータが作られた。ジャガード織機は初期のコンピュータの構造とよく似ている。プログラムは紋紙で出力データは織物みたいなイメージ。

織機の動きや耐久性なんかは、自動車そのものに思えたりもする。自動車は織機が走っているようなものである。自動車メーカーやオートバイメーカーの前身が織機メーカーだったというのもよくわかる話で、自動車よりも織機の方が複雑で、振動も大きく耐久性が要求される。

今の織物の現場は織機メーカー不在の状態で、織機が不調なときにはメーカーに頼ることもできない。林与がシャトル織機の方が残っていけると思うのも、シャトル織機は部品がアバウトなので代用が可能だから。レピアは部品が精密なのと電機部品や半導体部品が入っているので、純正部品でないと難しい。

日本で織物産業が衰退したから織機産業も衰退したのだろうけど、織機産業の衰退で日本の織物産業の衰退は確実なものとなった。日本の麻糸の紡績産業も織物産業の衰退で、今はわずかな国内生産が残るだけで、麻糸も海外の方がバリエーションが豊富。海外の麻織物メーカーの方が情報もチョイスも豊富。

2000年頃は、中国では麻の先染めは少なかったが、10年後の2008年頃には麻の先染めが増えた。日本の企業が中国企業に先染めを依頼し始めたことが要因の一つだろう。日本でやっていたことが中国でできるようになっただけでなく、価格も5分の1とか10分の1。

そして今、中国企業はプリントへと移行。日本ではインクジェットは高価なプリント方法だが、中国ではまさに紙に印刷する気分で格安に作る。麻はインクジェットプリントはむつかしいので少ないが、品質を少し甘くすれば、麻のインクジェットプリントもインクジェットの機械やインクを生産できる中国が強い。

日本は一流なインクジェットなので高価ながらも、インクジェットの機械メーカー依存なので色ぶれなど起きてもなかなか調整は難しい。麻の場合、圧の掛かる捺染方式が毛羽の問題などもクリアしやすく、コストも抑えやすいので、日本では麻のプリントでインクジェットが主流となることはないだろう。中国では麻でもインクジェットが主流である。

織物産業が


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