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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

高齢化

2018年09月21日

糸を巻いてくれるおじいさんが腰痛で糸を巻く作業ができない状態。年末年始に相当痛そうで仕事がもう無理かもというくらいから春過ぎには回復された感じで頼んでいたのだが、ここ最近また腰痛が酷いらしい。それでも先日、そんな状況を知らずに糸を持っていくと2日で巻いてくださって持ってまできてもらって、そのあと病院にリハビリに行くといわれていた。そうやってまで動いてくださって有難いというしかない。糸を巻いてくださるおじいさんでも割り切りをもって仕事を喜んで受けてくださっていて、そこが本当にありがたいところである。今回は知らなかったのでもっていって巻いてもらったけども、次は様子を伺ってから無理のない範囲で巻いてもらおう。

糸を巻く仕事もそれを若い人が一日中できるのかというと、なかなかそうは行かない。難しいからとかではなくて、仕事を仕事として割り切れるようなところがないと憧れで続くような仕事ではなかったりする。体を使い、時間を使う仕事というものは慣れていないとなかなか難しい。机に座って勉強や仕事していた人が一日中立って仕事することは難しいものである。愚直に仕事をできる人でないとこういう繊維の地道な仕事は難しいのである。まあ、おじいさんも自営的な仕事としてずーっとやってこられたので出来る話なのである。

切れない糸だと機械化された工場がつよいだろうけども、切れて糸口をさがすことも難しい麻糸の場合には、人の力は常に必要で、熟練した技を機械で置き換えることは不可能なのである。年末にインバーターを取り付けしたので、それで仕事がやりやすくなったと喜んでいた下さった。機械によって仕事が格段としやすくなるケースもないわけではなく、目の前の仕事が一番上手にできるように工夫は必要であろう。熟練した技プラス便利な道具で、普通だと難しいことがやりやすくなり、不可能を可能にすることが出来る。

インバーターを取り付けたことで素人でも仕事はしやすくなるが、熟練の技と仕事への姿勢がなくしてインバーターをつけてしまったとしたら普通のレベルを知らないので熟練のレベルの技が身に付くことはないのかもしれない。関東の織機を関西に持ち込んだとしたら何が起こるか、関東と関西では周波数が異なる。関東が50、関西は60.関東と関西の境目がどこにあるのかというと、関が原?か。滋賀県は関西なので関東の織機を持ち込んだ場合には、周波数の関係で、速度を落とさないと基本織るのが難しい話になる。逆に関西の織機を関東に持ち込んだ場合には速度を上げてあげる必要がある。

モーターについているプーリーというものの直径を2割大きくすれば2割速くなるのであるが、プーリーを交換すればVベルトがしっかりと張るようにモーターの位置をモーターベース上で調整してあげないとならないが、駄目なときには、
Vベルトの長さの違うものに交換したりしてあげないとならなかったりして、プーリーの交換は厄介なのである。あと、織物が織りにくいときにはスピードを落として織り易くしてあげるとか、織りやすいときにはスピードを上げて生産性を高めるとか、織る織物によってスピードは変えたいと思うことがあるときに、プーリーの交換では大変でインバーターがあると便利。シャトル織機の場合にはクラッチ式なのでインバーターの取り付けは容易である。

インバーターの取り付けの問題としては、取り付けてモーターの速度を上げてスピードを上げるとシャトルを叩く速度が上がってしまうのでシャトルを叩く強さを弱めてあげる場合があたり、シビアな織物の場合には、シャトルのテンサーを調節して糸の調子を緩くしてあげる必要があるが、20%程度までとか大きな速度変更でなければ必要だろう。インバーターによって速度を落とした状態と速度を上げた状態では2倍くらいの自由な速度調整が可能になる。インバーターも、昔は10万円コースだったが、今は1万円ほどで手に入り、クラッチ式のシャトル織機には取り付け取り外ししやすいから取り付けて損はないだろう。


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