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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

海外生産

2018年10月14日

海外生産に関わるニュースで、日本の大手SPAがインドネシアの縫製していたのを辞めて、他国での生産に振り替えたので、インドネシアの工場が従業員たちの仕事が無くなりリストラされる話。従業員たちは、工場経営者を訴えるではなく、仕事を出していた日本の大手SPAに解雇に関する金銭的な補償を求めている。品質要求が高いと同じ仕事でも時間は2倍、3倍とか掛かることになる。人件費は品質の精度を求められば、2倍、3倍になることもある。 何百人が働いている縫製工場でも、日本の大手SPAの仕事を受けてキャパが一杯になりさらに従業員を増やして納期を合わせたりして、従来のお客さんの仕事をほとんどなくしてしまって、日本の大手SPAからの発注が無くなったときには、倒産する可能性や大規模なリストラが必要になるのはほぼ確実なのである。日本の生地メーカーや縫製工場でも、大手SPAの仕事を受けると倒産のリスクは高くなってしまうので断るところは多い。勝ち組とされるところの仕事を受けてうまく続けばよいけど続かなくなったときの反動は大きいだろう。 発注するだけで、従業員の解雇の補償まで要求されるというのも理不尽ではあるけども、この問題は大手SPAが発注先を変更するたびに起こりえる問題なのである。大手SPAが、途上国に生産するときに国際貢献となることを考えるが、逆に、発注をやめるときに働いていた人たちの解雇問題を考える経営者(大手では厳密には経営者も雇われ人だから、会社は株主のものという大企業的な考えからすると株主)はいないだろう。法的になんら問題はないというのが一般的な結論なのだが、多くの人の人生に問題は生じてしまっている。仕事をくれた先が自分たちの面倒をみるべきだみたいな考えになってしまっているのも考え方としては修正が必要だろう。大手SPAの仕事を受けた経営者の判断の問題というのが一番なのだろうけど、こなせて安定的な関係となればよい仕事、でも、一度受けると元には戻れなくなる可能性も高い。 大手アパレルが主軸にしていたライセンスブランドがライセンス解消となって、売り上げが激減し人員が余り、経営が難しくなるというのも同じことだろう。自分が決定できない一つの案件の比率が大きくそれに頼っていては、いざその案件が難しくなったときに急に立ち行かなくなることがあろう。安定しているように見える仕事ほどそこからの方向転換が難しいものであり、安定していないくらいのほうが長続きするのではないだろうか。



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