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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

DDT

2018年10月15日

子供の頃はじめて飼った犬が2歳ほどでフィラリアで死んだことがある。裏が竹やぶで小さな川があったので蚊が多かった。歴史をしらべると、滋賀県の湖東地域は蚊の多い地域で、戦後マラリアとの戦いがあったそうで、彦根城の外濠も蚊を撲滅するために埋められたそうだ。戦前に戦争に行ってマラリアを持ち帰ってきたのが蚊を媒介して広まったのを戦後にアメリカの指導の下、行政を挙げて撲滅したようだ。また、日本の歴史を調べてみると八丈小島では、人フィラリアの風土病があったそうだ。どちらもDDTという1971年に禁止された農薬で蚊を駆除した。

基本的に、人に害を及ぼすのでDDTを使うのもしかたないことだろう。沈黙の春の中で、DDTは生体蓄積し発がん性があることで、1971年使用禁止という流れになった。今は当時ほどは危険性があるとは考えておらず、発がん性の恐れがあるという認識で、アゾ染料に近い危険度のあるものとして、途上国でのマラリア退治には使われている。八丈小島のマレー回虫は学者からすると天然記念物にしていしたいほどで絶滅させるのは残念だと思う気持ちもあったいうが、私は人の命や健康のほうが大事だと考えるのでDDTを使用して絶滅させたのは良かったかと思う。彦根の件も同じで、DDTの使用で風土病とされたマラリアが絶滅になったのはよかったと思う。八丈小島の風土病が絶えて人々が精神的にも開放された面も無きにしもあらずだろう。なぜ水も少ない人が住むことも難しいその島だけに人フィラリアがという問題。学者たちは謎だというが、ゾウ足の症状が出たものに対しての隔離政策があったのではないのかと思う。カネミ油事件などでは、米油にPCBが混入し、カネミ油症を出したので、DDTの散布に関しても安易には考えてはならないと思える。危険性を認識したうえで使用するべきであろう。よくあるのがそういう危険性をないかのように安全だと言い切って使用して、結局、惨事に至るケース。

カネミ油事件でも工事ミス説が有力である。たったそれだけで起こりうるから本当に怖い話なのである。腐敗や工作ミスでPCBが漏れ出すような脱臭装置自体の構造に問題があったのではないかと思う。事件発覚後の企業対応に問題があったのも見逃せないが、裁判も大きな問題で、最高裁で国の落ち度が絡んでいるためにこんな事件でも被告が敗訴するような可能性が高くなり、被告が提訴を取り下げるようなことになった。なんの罪もない人間が米油を買って飲んだら毒油、行政がだらしないことして原因究明せず放置、国が被害者に勝とうとする行政的な流れが見えてしまう。こんな事件でも被害者が敗訴しそうになる日本の裁判システム。コメ油はコメ糠からでコメなんで、当時、国のビジネスの要素もあったんだろう、国の余剰米を預かる倉庫業者がなんで米油の製造を倉庫ではじめたのかとか。東電と似たような官製を感じる。

和解した原告以外は被害者ではないというような考えも不思議なのだが、厚生省の考える国の厚生レベルの低さそのもので、カネミ油の業者だけじゃなく、行政が責任を問われると被害者を見捨てる国の対応が被害を放置してしまって、被害者の救済を考えない国の姿勢が浮き彫りになった事件である。カネミ油のような大きな問題が起こっても、それを解決すべく国が正しく機能していなかった部分。

安全性が謳われていても実際に使われて危険性が見えてくるものも多い、大体、新しい薬剤など数年で問題が見えて消えてゆく。コストが安いからと新しい薬剤に変えることはリスクが高いことが多い。自動車にしても新しいリニューアルされたモデルの車と販売されて数年経つモデルでは、どちらが安全なのだろうか。たぶん、後者であろう。倉庫会社がつくった米油最初はいろいろとトラブルがあるのは当たり前と思う。慣れた技術者というけど、まあ、特殊な機械だと慣れた人間なんて作った人でも修理とかできるかできないか。


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