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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

大量消費社会

2019年03月16日

オーガニックな製品は大量生産しても地球環境を守ることができるのかというと、大量消費社会というのはもともと地球環境には悪いことで、オーガニック製品でもそれに当てはまる。たとえば、地下水の問題、農業というのは水を大量に必要とするので、マシンピックトのオーガニックコットンは、基本雨の少ない乾燥した地域で栽培されるために、地下水を大量に消費する。地下水が枯れてしまう問題があり、あと30年とか50年でマシンピックトなオーガニックコットンの栽培を支えている地下水が、農業には使えなくなる可能性が高い。飲料水が優先されるべきだろうから。

雨の多い地域は農業用に地下水をくみ上げる必要がない場合が多く、でもオーガニックコットンは雨に濡れるのを避けるために、コットンボールがはじけるごとにハンドピックトされる必要がある。50年後とか将来的に残るオーガニックコットンは、ハンドピックトなオーガニックコットンではなかろうかと思う。オーガニックコットンでも価格競争力の強いマシンピックされる大量生産型は、その地域の水資源環境の危機を招き、地盤沈下も著しいところが多い。

市場に流れるオーガニックコットンの多くは大量消費型で、乾燥した雨の降らない地域に植えられ、マシンピックされコスト的に優位であり、大量に市場に流れるのだが、水資源の面ではサステイナブルではない要素が大きく、雨のよく降る地域でハンドピックされるオーガニックコットンは人の手間が掛かるので高くつき市場には流れ難いが、より地球環境の面ではサステイナブルという側面があるだろう。

私自身、使い捨て文化が地球環境を破壊する元凶ではないかと考えているので、普通のオーガニックじゃないものでも、長く使えば地球環境を守ることに貢献できるのである。次々に大量に消費するとオーガニックプロダクトであろうが地球環境には良くない可能性が高い。

オーガニック基準があるため、害虫の少ない地域とか、カビの生え難い普通は不毛の地域を選んで、地下水でオーガニックというのが大量生産型オーガニックのスタイルだが、普通の使える製品を捨ててオーガニック製品に切り替えるより、普通の使える製品を大事に使ってから、オーガニック製品に切り替えることがエコなんじゃないかと思える部分。手ごろに手に入る大量生産型のオーガニックアイテムも多いが、長く使うことが地球環境の保全につながる。

スーパーのビニール袋にしてもあれを普通のゴミ袋として使うだけでかなり資源の無駄がなくなるのに、行政というのは新品の指定のゴミ袋をゴミを捨てるのに使わせるとかも改善できないものかと思う。有料になったスーパーのビニール袋でも市町村の回収のごみ袋としても使えるような統一基準をつくるとかすればよいのにと思うのだ。

ジャストインタイムのような、無駄の無い理想的に思える生産システムが、エコではないという問題。自分の仕事の中でも、在庫を持って資源の浪費を節約するよう改善していかないといけないなあと思うところは多い。大手の自動車メーカーが納品時刻にぴったり納品させるために駐車場も用意しておらず、工場周囲をぐるぐる走らせるとか、むちゃくちゃなエネルギーの無駄。低燃費を謳う自動車メーカーが、自分の会社に納品させる商品を届けるトラックを無駄に走らせ、自己基準に従わせるだけのエコ意識とか駄目だと思う。繊維でも大量注文を見せかけて値段を下げさせながら、下請け企業に在庫もたせていつまでも在庫を買取しないという商法で繊維業界でも元気な大手問屋さんがあったけど、そんな手法で年収1億円の社員つくっても誉められた話ではない。


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