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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

フランスの子供服向けの素材

2010年05月06日

今日は、朝、香港におられるフランス人の方からメールが届いていました。フランスブランドさんで、とてもかわいい子供服をつくるメーカーさんです。3月末のインターテキスタイル北京の一番最後の日の一番最後のお客さまとして来られたのですが、子供服だけに安心できるものをということを話しておられました。林与の先染リネン生地で、そのブランドさま向けのオリジナルな生地を作ようなお話です。

フランスへの輸出では中国の生地というのはすべて検査が必要だそうです。シルクなどでもヨーロッパ向けは検査が厳しかったりします。エコテックス100が必要なのもヨーロッパ向けだからです。林与の使用している中国紡績糸は、エコテックス100認証を受けたもので、安全な糸で、その糸を日本で染色、織、加工行っております。

日本からの輸出だと検査は必要ないといわれていましたので、ヨーロッパのほうでは、中国製生地に対しては、検査が厳しいようです。今、日本でも同じ危険はあるかと思います。厳しい世界の価格競争にさらされて、今まで使用してきた薬剤というのがどんどんと安いものに置き換えられてしまっていくというのが現状で、同じに見えても高い染や高い加工があるのは、それが理由だったりします。

織に関しましても、最近ではリネンの細番手は、糊をつけずに水溶性ビニロンを巻いて織るのが業界の主流になりつつありますが、その後の処理の問題は万全でないといけないと思い、適切な知識が必要です。また、堅牢な染というのは大事で、色が落ちるということは結局、肌に付くケースがあるということで、化学薬品である染料が肌に付いて残るというのは良いことではないのは想像できます。

ものを作っていてもいろいろと考えることが多いのですが、林与も近江上布の機元でありながら、染を断念したのも下水処理の問題からです。滋賀県では、昔から琵琶湖に流す水を綺麗にしようということで洗剤の問題が取り上げられていました。琵琶湖に流す水、すなわち、京都や大阪の人が飲み水としても取水する水なので、産業界全体としてもその安全性までを考えた生産が大事かと思います。基準の低いところのほうが、低コストでつくれるという強みはあるかと思いますが、今の地球温暖化のエコ意識と同じで、何に価値観を持つかは、地球規模で長く仕事をしていくことを考えると大事なことではないかと思います。


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