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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

コットンと水資源

2019年12月04日

国連でコットンが問題視されている、1着のジーンズで、人の飲水10年分が使われるということ。これの問題が、規制基準の高さがある。オーガニック認証もそうだが農薬を使わないとなると、雨の降りにくい砂漠地のような場所に灌漑で水を流してコットン栽培。本来乾燥している地域なので、例えばテキサスなんかではオーガニックコットンは地下水を組み上げスプリンクラーで水が供給され、地下水の渇枯と地盤沈下の要因になってしまっている。

自然農法にゆだねたオーガニックコットンというのはハンドピックトなのでまさに、オーガニックコットンの中では絶滅危惧なオーガニックコットン。マシンピックとなオーガニックコットンは地球環境を破壊しやすいという要因がある一方で、機械集約型の近代的な農業で行われるために、通常のコットン栽培と変わらない生産効率がある。費用面での負担とすれば認証に掛かる費用が農家の重荷になってしまって、遺伝子組み換えの特許問題で農家の貧困の要因となるのと同じ要素。認証かモサントかの究極の選択を迫られる農家。モサントに騙されたという農家がオーガニックに動いて成功するのかというと、今みたいな認証の基準が原因となり、地球環境の破壊につながるのが目にみえてしまうと、農家にあなた達のやってることは地球環境によくないからやめなさいと言えるのか、否かの認証機関の存在意義や認証基準の浅はかさの問題とも絡んでくる。

ハンドピックトされることがオーガニックコットンの価値を生む話だったのに、いつのまにか、ハンドピックとされないマシンピックトなオーガニックコットンが、オーガニックコットンの主流となり、このような問題を引き起こす原因となってしまった。オーガニックコットンの世界で言われるのも農家の利益のこと、モサントに騙されて自殺に追い込まれた農家がいて可愛そうだから、オーガニックコットンをつくればそれは解消されるみたいな話で誘導だが、本当にオーガニックコットンなのかもはっきりとしない2010年頃の世界のオーガニックコットンが認証機関の不適切認証の問題で半減したこととか、今も、遺伝子組み換えコットンが混入しているのではないかと言う問題も、判別する手段がないから遺伝子組み換えコットンが混入しているとはいえないというレベルの認証機関の説明。

諸悪の根源のように遺伝子組み換えコットンを叩きながら、オーガニックコットンに遺伝仕組み替えが疑われると判別する手段がないで逃げてしまうような説明では認証としては、認証機関としてはまずいというのも分からんのかなあ。消費者は本物だから買うのだけど、認証機関が判別する手段がないではあかんだろうなあ。2010年までのオーガニックがオーガニック認定として適切ではなかったのも明るみになった。日本国内ではそのことは隠されてしまっているが海外では認証機関の認証すらもが怪しいという消費者サイドの目線。オーガニックの原産大国インドが、認証機関に適切に認証をするよう指導したということ。その多くが、日本で製品としてオーガニックを謳って流れて販売されてしまった。

トレーサビリティにしても、クオータ制をとってしまと、オーガニック原料をたとえば1トン仕入れば、1トンまでオーガニックの糸の認証がでますよ、みたいな制度だと、トレーサビリティがないのだが、これはオーガニックリネンにも当てはまることだが、トレーサビリティーが一人歩きしてしまう現象。結局、本物か偽物かは、業者の良心に委ねられるのである。信用できる業者から買うことが大事だろうと思うのは、アイリッシュリネンの幻想の話と同じこと。

オーガニック原料云々も大事だが、製織、染色や加工もオーガニックの要素であることは理解が必要。林与のオーガニックでも究極のオーガニックは、オーガニックの糸を糊を使わず織り上げ天日干しのナチュラル仕上げで、こちらがオーガニックとしては究極。でもこれは普通のアパレル向けには向かないので、同じオーガニックの糸を使用しながらも通常の加工工程を経る業務用途に適したオーガニックリネンプロシリーズ。林与としては、オーガニックでひとくくりにするではなく、適切な情報を正しく消費者に伝わるようにしたい思いはある。通常だと扱いやすいオーガニックプロシリーズをオーガニック出ない部分まで隠してとか基準を下げて、これが本物だとやってしまうだろうけど、それだと本当のオーガニックが消えてしまう部分がある。オーガニックじゃないところはオーガニックじゃないのも理解いただきながら、基準でごまかさず信念をもってオーガニックを提案してゆきたい。


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