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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

長英座

2020年01月19日

米原文化伝統産業会館でのロビー展示が今日の夕方終了、今日は、彦根刺繍の青木社長にいろいろと彦根刺繍に関するお話などを聞いた。昔、刺繍の案件を抱えた時に彦根刺繍にもたどり着いたが、彦根刺繍というのは伝統産業系で手刺しが基本、今はお祭りの幕などを作られているとのこと。昔には17件ほど刺繍屋さんがあったそうで、京都の下請け企業的な仕事をされていたという話で、彦根刺繍が東京オリンピックの時には外国のお客さん向けにすごく人気だったそう。ほとんどが日本の絵葉書などをベースに下絵を描いてその上にアクセントとなる部分に刺繍を施してある。全面刺繍タイプもあるそうだがそういうのはむちゃくちゃ手間が掛かってて高いそうである。

彦根刺繍もかつては17件ほど彦根から愛知川地域に掛けて刺繍業者さんがあったそうだが、どこもやめられて今は青木刺繍さんが残られているだけということ。お話を聞いていても刺繍だけではやはり難しく、繊維業界を支えるためにはテナント業的な部分も持っておられて成り立っているというお話。他の繊維業者さんも堅実的な経営をされているところは案外、マンション経営などをされているところが多い。経営手腕という意味では先のことが見えている経営者かどうかで、やはりいろんなものを残せるか逆につぶれる流れのタイプの経営者なのかは分かれる。林与の先代なんかは昔にありがちな借金できるのは自分に信用があると借金自慢のタイプだったの絵にかいたようなバカ者やってて、私が本業に立ち戻る路線でやってるからなんとか残せているだけのこと。調子乗りで地道な作業のできないタイプは商売やるとこけてしまうのはいつの時代も同じこと。青木社長も先代のときには良い時代があったけど、自分が引き継いでからは良い時代なんて経験したことがないといっておられ、良い時代が終わった後の次の世代の支えていく苦労はどこも前の世代の逆の人生だなあと思う。

まだ、林与が恵まれているなあと思うのは、まともに仕事すれば麻織物の仕事というのは収益面でも悪い仕事ではないと思うこと。今の時代に生き残るためには広く深くでないと無理だなあと思う。丸三ハシモトの橋本社長とも今の時代というのはいつまでつつくかわからない流れに乗った軽い仕事が利益を上げているが、ハシモトさんも林与も、ガチな仕事で、そのような流れに乗ってしまうと逆に存在意義が薄れて、大きいところと同じになれば長続きするはずもないという話をしていたが、地場産業の経営にしても仕事内容を薄くして利益を上げろ見たいなことをいう経営指導タイプの人も多いがそういう人というのは本当に多くて疲れるくらい。途上国の高度な仕事ができないレベルに落ちればものづくり産業なんて終わりだろう。

他にも今日は、自動車メーカーの海外工場の立ち上げなどで働いておられたお客様が、女性のスタッフが縫製をするのを見ておられ、どんなものづくりにでも興味があるといっておられた、サラリーマンではあったのだろうけども見るからに成功されるのが当たり前なタイプの方。仕事が嫌とか嫌いレベルをいくら主張しても仕事で成功することはまずない話で、いやいややってないで、まず本気で取り組んではどうだろうかと最初の1日の話から。最初の1日がないと長くやってもやってることやいってることは知れていて他の人の面倒をみるところまでもいかず面倒を見られる側のままぐだぐだいうのが続く話。やる気のあるものがそのグダグダいうものに付き合わないといけないのが繊維業界では多いのも繊維業界の苦悩の一つだろうと思う。私からすると先代なんかも親であろうがグダグダ言っているだけの仕事のできないアル中だったという厳しい目線があるから、林与でも残れているというだけのこと。食べていけるレベルのその姿勢になることがどれだけ難しいことなのかは、どの業界でも共通のことだろうと思う。金儲けとか利益にうぬぼれるじゃなく、自分が業界の本堂的な仕事して成り立たせていくという基本姿勢を作っていくというあたりが大事なところ。一人でもそれをやる覚悟みたいなのが大事だったりする。

昨日、今日の出店の出店の立ち番も、林与以外は、経営者が一人でされているところが、産業の衰退の本質。自分が従業員を支えて食べていくというのを経営者は自覚し、土曜日曜も仕事とも思わずにPR活動の一環で活動のPR。利益とかそんな浅いこと考えていたら自分の会社や業界を支えていくのは無理で、自分の時間くらい持ち出しで支えていくのが業界を支えていくという当たり前のあたり。

織物業界なんて風前の灯で、一番灯なのは織物の仕事に興味のあって行動までに移せる人が少ないこと。無料体験の手機でも、小学生未満の児童が、上手に織るけど。大人でチャレンジできる人は少ない、今日も舞台に立つ古典芸能の役者さんが着物姿でチャレンジしてくれた、それは職域を超えたプロの意識が働いているからだろう。そういう気持ちでないと役者も難しいかもしれない。そういう人はやはり小学生の子供と同じくできるタイプ。これは場を作っていただいた私がいうのは恐縮だけど場をつくるもできるタイプで、お人柄も何枚も上。

高く止まって上から目線の人間ほどできないも多い、苦労がないから他の人を食べさせて行くも難しだろう。自分が食べるよりほかの人を食べさせる覚悟がないと経営者や企画者は難しいだろうし、場をつくるができないとその仕事で成功するのも難しいだろう。せっかくの機会で、リネンのキッチンクロスを販売もしていたが、別途、限定ではあったけど、1枚無料プレゼント企画で興味を持ってくれた方には先着順で1枚プレゼントコーナーも作った。朝5時に起きて26枚裁断して縫製して洗いかけて、自分の朝早く起きて作ったものに興味もってくださりほしいとおもってもらえる。両日で80枚くらい。ものというのはまずほしいとおもっていただけるようなものでないと商売として成り立たせるのも難しい。自分に料理する技もないと難しいなあと。また場所をつくるができないと難しい。場所をつくるためには自分が動ける人でないと難しい。麻早起きして数時間で25枚のキッチンクロス、数が足りなく会場でもスタッフが縫って作れるまで待ってもらって種類もタイプも限定だけど長英座に脚を運んでくださって林与のリネンキッチンクロスに興味を持ってくださった方に、林与からお一人1枚だけのプレゼント。長英座だけでなく、帰ってからも長く使っていただけるようなものなのでこういう企画もありなのかなあと。

私自身、特別なタイプでないと難しいとも思うし、こういう仕事も成り立たせていくのは難しい。普通のサラリーマンがこういう仕事をしても場をつくるもお客さんとの接点も、ただ、早く起きて、織りっぱなしの生機を縫ってキッチンクロスにして洗いかけて干して、それだけでほしいと思ってもらえるものができあがる。それが私が問屋さん以上にものを料理するのも欲しがってもらえるのも上手なところで、私自身が、この仕事で食べていくというのもそう難しいことでもないあたり。業者の人に頼んでつくってもらったものでもなく、自分が朝早く作業しておにぎり作ったので食べてみたいな感覚。もちろんいろんな方との会話も弾むし私自身の良い長英座の思い出にもなる。

今年も無料体験の手機、お子様たちには大人気で、織ってくれる人がたくさんいてくださった。誰でもが簡単に織物が織れるように、平織りで太い目の綿の糸と、横糸にはかわいいファンシーなモールヤーン。織るというのを気軽に体験してもらって、織物が身近なものだと思ってもらう機会。子供のほうが何人も来て他の子に負けないで自分もできるをやろうとするので上手だったりする。そういうのが仕事で食べていけるにつながる基本の精神。自分の技だけでなく、見て楽しんで自分もできるとか、経験してもらうのも大事。女性スタッフがミシンでキッチンクロスをその場で作るを見てもらうのも、ただ単にもらってもらうだけでなく、ものづくりの現場を見てもらう一つの場つくり。林与自身この2日間いろんな皆様とお話もでき楽しい良い思い出になりました。


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