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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

豊作

2020年01月22日

豊作で農作物の価格が下落というニュース。豊作が農家にとって良いことなのかというと、リネンなんかもおんなじで、良いフラックスがとれた年というのは品質も良くリネン価格も下落する。一方で凶作の年には品質も低下して値段も高くなる傾向がある。農作物にしても豊作だと大根や白菜が収穫もされないままトラクターで土に戻されることも多い。消費者に食物ロスの削減を求めながらも、製造工程での莫大なロスを解決しないとどうにもならない話で、そういう製造工程のロスとなるものでも大量に市場に価値を伴って流れることが大事だろうが、欠点があると費やした費用の回収も難しい。

最近買ったものの中で、訳アリの辛子明太子があった。2kg3000円だったが、形が不揃いとか期限間近とか、夜仕事していると寒いので夜食に電子レンジで温めて食べるパターンだったが、おっさんの食べ物なんてそんなもので十分なのであるが、スーパーで形綺麗に小売りしているものよりも充実感がある。訳アリなので当たりハズレもあるのだろうが、そういうのが残っていてもよいのではないのかと思ったりする。努力をしても同じ商品が同じ品質で同じ価格ということも常に保てるとは限らないのがものだったりする。

繊維製品でもスポットで紡績工場の廃業や生産終了なんかがあってなん十トンかのあぶれた糸を買い取って作ったものというのは、原材料費も安いだろうし量産するので最終の生地も安く作れる。そういう訳あり業者さんのものづくりもあったりはする。林与の場合は、逆に定番にできるような安定的に供給される糸を探して使っているので直接輸入しようが問屋さんから買おうが値段も安定していて安定的な生産がしやすいのである。それが長期的に安定して生産をする方法の一つなのである。もう一つは自分が現在材料を何十トンも抱えて生産を安定さるかだろう。林与も小さな機屋ではあるけど、

商売を続けてゆくために国内のどの麻の糸商さん以上に染糸も含め麻糸の在庫は持っていたりする。そのあたりが普通の賃機屋さんとか、企画屋さんとは違うところで、トータルなものづくりを常に考えてものづくりを支える力となるところだったりする。普通は重荷になるところでみんなそこが経営が駄目だというところだけども、ほかがそういうことができなくなっているので、そういうのを自分がやらないとものづくり自体が難しくなる。糸なんかにしても数年で廃盤になることも多く、特殊な糸に手を出して布をつくって順調に需要を作ったとしてもその糸が廃盤になってしまうということもありがち。定番の布をつくるための糸というのは、入手経路がいろいろと確保されているものでないと成り立ちにくい話なのである。


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