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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

地道に働くことの大事さ

2020年03月13日

地場産業系の繊維業界というのは昔ほどの規模でも派手さもないのだけども、良い時代を過ごしたひと世代昔の人たちというのは昔の感覚が残っていて、すごく真面目に仕事してくれる糸を巻くおじいさんでも、20年前の値段でやっていますということを言ってくれるのだが、卸においては20年前の生地の値段のほうが余裕があって、一般に流れる生地というのはほとんどが海外製になってしまったのが日本の繊維業界。そういう生の感覚を持って仕事の厳しさを切り替えられる人というのは少ないものである。

今日の朝までの1日に仮想通貨の価値の3分の1が吹き飛んでいる。この1週間で、全世界の株の価値の3分の1が吹き飛んでいる。しかも、まだ下落は始まったばかりのような状況。こういうときに、早めに感覚を切り替えて、株をやっている人も見切りをつけられる人というのは強かったりするけども、見切れずに深みにはまって抜け出せないタイプの人というのは、大きな痛手を背負うものである。

私自身、地道な仕事を目指すのもそのあたり、良い時代の人が厳しい時代になると仕事で食べてゆけないあたりをいろいろと見てきただけに、とことん仕事を地道にしてみようと思って、いろんなことを逃げずにやる方向性でやってみているが、繊維の仕事もそんなに悪い仕事じゃないなあと私は思うのである。しかし、力を上げないと仕事があっても仕事を受けるとマイナスになることも多いものである。

景気が良いと仕事すれば当たり前にプラスだったものが仕事してもマイナスという状況に陥る。そこらあたりが当たり前の感覚になって、マイナスをプラスに変えていくような考え方に変わらないと同じままだとどうしようもない。繊維業界にいても、地道に働いておられる人というのは一つ一つの仕事が深いが、横に広げて商売をされている方というのは浅く、普通の大手企業の感覚に近くなってしまう。

地道に仕事すれば、生地の世界でも、品質、納期、価格以外のものが見えてくると思うのだ。仕事の本質みたいなものが別格にならないとそのためには考え方から別格にならないと超えた世界というのは難しいのではないだろうかと、私も他の人が失敗したのでも自分が代わりにやり直すというのが仕事のような部分だけに、常に思うのは、地道な正しい仕事の考え方。それを持っている人が価値のあるものを生み出せるし、ぶれがないからそういうスタイルが好きで、自分も実践していこうと決めたのが早く、過去の良い時代の流れに流されてたのも止めたのが、私が仕事をしていて私が仕事している意味のある部分じゃないのかとも思う。

私がものづくりにしても突き詰めてゆくと哲学にたどり着くというのは、仕事だけでおわらず、人の生き方の考え方が仕事でつくるものに影響を与えるのである。欲を捨てて自分ができることが何なのかを模索するあたりから入っていかないとと思う。素敵な仕事にあこがれる人たちが引いてしまうような厳しい大人の覚悟のある世界があっても良いだろうと思う。そういう覚悟ができていると同じ時間の中でもできることは何倍も高度になってくるし生産性も何倍もあっていろんな余裕ができてくるものだと思う。


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