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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

地の利

2020年05月24日

アメリカのビジネススクールで商売というのは場所だという話があった。それはまだインターネットが普及し始めたころの話で、私が卒業するときには三井物産の人事部長が言っていたのは、土地というものはインターネットの普及で必要なくなるということ。両方が正解だろうと思う。歩く人の流れが多い場所というのは自然と飲食の商売というものは成功しやすい。歩行者の人口密度の高い地域というのは飲食は成功しやすいのである。消費期限のない商品というものは品ぞろえの面から逆にネットで探されることになる。今までだと自分が買い物に行ける範囲でしかものを探せなかったのが、世界中で販売されているものを検討することができるようになる。国内だと通販という形でネットで販売されている限りは国内配送が可能で手に入れることができるということになる。よく言われるのが、現物はお店で見て買うのは値段の安いものをネットで探してという話。家電製品などは店頭在庫がないことも多くネットで購入するという形で十分になってしまう。

これは一部お店のアフターフォローの対応なんかもどこも似たり寄ったりなところがあるだろう。お店のサービスの差というものがあまり感じられないのが家電製品だったりするのである。故障してもメーカーでないと分からないというような対応がほとんど。逆に生鮮野菜なんかは、お店によって仕入れ先が異なり生産農家が異なることで、このお店で野菜は買いたいなあというのはあったりもするだろう。どこどこの何というような要素が消費者にとっては大事な要素で、それがいろんなところで買えるとなってくると値段やそれに付随するサービスの差の話になってくるのだろう。

日本の大学の経済学部の時に、値段は需要と供給で決まるというような話だが、それはまさに今回のマスク騒動みたいなものだろう。需要が少ない時には不織布マスクは1枚5円から10円だったといわれている。それが新型コロナでマスク需要が増えると、需要が供給を上回り、ものが手に入らない状態で、手に入れるためには高い値段を出さないと成らない。マスクだけでなく、その材料も同じで、材料が消えてしまうのである。すぐにほしければ探して高くても買わないと手に入らないのである。メーカーにしても同じであろう。中国なんかでも以前よりも大量に作るのにコストが1枚35円とかになってしまっているという状態。マスクバブルなのである。コストが5倍になろうが、それが今までの5倍で売れるならそれはつくれば売れる商売ということになる。

価格は需要と供給で決まるというようなことが本当なのかというと、一定の需要があるものに対しての買占めがあればものがなくなり価格は上がるのである。供給が無限にできるのであればよいが、原材料から渇枯するようなケースでは需要に応じた無限の供給は無理なのである。今のコロナの布マスクブームで生地を常時もっていた問屋さんの在庫などもなくなってしまったという話。それが次にすぐ手に入るのかというと、海外生地だったりすると航空便の現象で物流も不安定で次に手に入るのは未定というような状態。

トイレットペーパーがすぐに値段が落ち着いたのは、トイレットペーパーが国産だったからといわれる。原料の供給が足りたということがあったからよかったが、原料が足りなくなっていればマスクと同じだっただろう。しかし、マスクにしもコロナ前は1枚が5円から10円というのは、安すぎないかと感じる値段。それほどに需要も小さく地道な商売だったのである。それが急に命に関わる問題となってきて、マスクマスクとなったときに、地道にやってたところは普通の注文を何倍も受けてパンク状態だろう。通常の仕事が2倍入ってもうこれ以上はつくれないみたいな状態ではないだろうか。そして落ち着くと次はマスクが過剰になって売れない流れになって、市場に供給されている量が需要を上回った状態が続く、作っても売れない流れに入る。


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