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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

もののありがたみ

2020年06月13日

もののありがたみという面で、私自身も反省をしないといけないなあと思うのが、途上国でのものづくりを蔑むこと。現地の人だって生きるために懸命に働いているということ。優雅な先進国の人々が自分たちが仕事嫌いになってものを一生懸命につくることを嫌がり、他の人たちに作らせて自分たちが仕事しなくなって食べてゆくような構造。資本主義的には発展型の永続的なモデルなのだけども、これはまさに投機的な生産モデル。企画するものに安く作れるから海外で作るという作り手という目線がない。発注する側に、国内の作り手に対しても海外の作り手に対しても人を支えるという要素がないのである。発注する側というのが生産サイドにいながら生産環境というものを使い捨てにしてしまうあたりが、投機型の生産。

一般消費者の方だったらほしいものがあれば買う、それでよい。企画の人が自分が企画するのに、売れるからほしい、売れないからいらない、という転売感覚での企画だと、生産基盤の意地すらもが睦かくなる。よく企画の人がモノづくりの人はものづくって、売るのは自分がみたいなこといわれるが、売る側のその人が生産基盤を維持するだけの注文をつくれるのかというと、供給側に立つなら、は供給を成り立たせるような目線がないと無理なのだが、毎年何百万円の発注を入れる確約もなくてものづくりを支えるとかいうのは、現場の一人の人の雇用も確保もする覚悟もなくものづくりは無理な話。繊維業界というのは構造的な問題があるなあと思う。

年商何百億円の会社でも相手にしたくないのが、年商何百億円の会社にありがちなのが、生地を発注して買わないとか。繊維関係ではそういうのが多い。あと最近話題になった更生法申請したR社も、林与の絣柄のプリント企画をパクるような、ファッション業界においては恥ずべき汚行、イギリスの高級ブランドアクアなんとかのブランド名が泣くような話。間に入った問屋さんの個人的に気の毒なすぎて、1回限りの企画のパクリということで許しはしたが、R社のデザイナーのパクって当たり前の感覚は消費者の高級ブランドに期待する感覚とはまったく違う。林与の近江上布絣プリント企画パクって成り立つイギリスの数百億の高級ブランドってなんなのと思う話。1回だけだから個人的に問屋さんの誠意に免じてだらしないR社の世界に名だたる高級ブランドのデザイナーの企画のパクリという汚業を林与が免じた話。



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