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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

朝の5時

2020年08月15日

涼しくなる朝の5時、近くのお寺の鐘の音が聞こえてくる。お盆で帰省されている方たちには普段経験することのないとても良い響きだろう。お盆でお墓やお寺に参られる。

昨日立ち上げた織機を織っているお盆明けの納品のもの、糸に適した調子のよい台を割り振らないと、最初の構想が悪いと結局そこでドツボにはまることがある。話で仕事が成り立つのじゃない話が、昨日の朝からのストーリー、朝につなぎ始めてもらって、テンプルなどの位置調整、筬を通しなおして、織出し。織出しがどうしても両端の部分の経糸が緩んでうまくいかず、試行錯誤そして、一休さん。

思い切って方向転換、繊細な織物なので、巻取りローラーが糸が引っかかりにくいように、調整してあったのが逆に働いて、結局その調整を取り除いて、織りあがった布がきれいに巻き取られることで解決。織機自体のコンディションは悪くはない。また、シュワイターの巻の太さの調整が必要で、そこも微調整を加えて、一気にきれいに織れるような体制が整った時には、夜の9時。

坦々とした作業をスタッフの女の子が進めてくれて、普通の人だと15分で投げ出すような作業の連続だろうが、そうやって織物というのはできてゆく。こういうのは大人の仕事の世界なんだろうと私は思うが、そういう世界はもう日本には少なくなっている。

整経の準備や整経なんかは私がその前の夜から一人で始めているので、24時間ほどで、他の仕事もしながら、1台の織機が立ち上がって織り始められる。これを普通のリズムで2人が3日に分けてやっていても、6日分の仕事として成り立たせるのは難しいだろうと思うし、解決力を伴うこともないだろう。


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