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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

岡山から

2020年08月24日

今日は岡山の縫製をやっておられる方が織物の製造工程を2泊3日で体験しに来られる初日。最初、機結びを覚えてきてもらったのでそれを簡単に復習して、北京のサンプルを出荷するのがあって、とりあえずそれを先に倉庫に入って生地のカットなどを手伝ってもらいEMSで出荷。そのあと工場の中で糸を固める作業などをチーズワインダーを使って現実的な練習。熱い工場の中も経験してもらって初日は終わる。

27歳ということで、私が仕事を始めたのと同じ年の方。家族で縫製の仕事をされていてたまたま納品で3年ほど前にお邪魔したときにお会いして、林与のことを覚えていてくださってこのような機会が実現することになった。織物の一つ一つの作業というのは、案外単純な作業が多く、1日で覚えられることも多い。たくさんの仕事が流れていた昔はそれを一人の一生の作業としてやっていたことも多いが、今はそんな時代ではなく、一人の人間がいろんな作業をこなすことで逆に超作家的な器用なものづくりが日本のモノづくりの形なんじゃないかと思う。

不思議なのは、意欲のある若い人というのは経験がゼロでもその日その時に目の前の仕事をこなしていけるということ。私もそうだったが織物の一つ一つの仕事はコツをつかむことは必要だけども難しいと思ったことはそれほどでもなく、難しそうに講釈を垂れている人が多いのに付き合うのは逆に疲れる話である。基本、だれでもやる気さえあればできるのが織物の仕事で、根気や集中力というもののほうが大事だったりする。経験者というのは慣れた仕事を惰性でやってしまうので、そこで上達が無くなるもので失敗が多くなったり、向上がなくなるのも多く見てきた。

自分で普段から縫製の作業をされている方なので物事を前に進めていくのは非常に上手で作業に対する理解力もあって、新しいことにも率先力的な力がある。手の糸を扱う加減なども縫製をされている方なので普通の人の何倍も上手である。縫製というのは自分自身がどれだけ器用であるかが生命線的なところがあるので、織物の作業というのはそれほど難しいと思われることはないだろう。新しいものが次々と流れてくるのが縫製の現場でそれを理解して一つ一つミシンは使いながらも自分の手と目でそれを形にしていかないといけないのは、織物よりも人の力が要される作業だとは思う。



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