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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

動くこと

2020年10月30日

この仕事をしていて大事だなあと思うのは、動くこと。仕事ができる人というのは、たとえば、どこどこに何がある、というと、すぐに取りに行けるのだが、どこどこに何がある?と聞いても、あそこにあるわよ、みたいなタイプの人は多い。

この仕事をしていても、糸の場所をしっかりと分かっていて自分で取りに行ってまた自分で残ったら返せる人と、それができない人とでは、その人が仕事をするのにもう一人必要かどうかという問題になってくる。単に糸を扱うだけでなく、ロット管理などのことも含むと、そういうのができる人というのは、本当に一部の人だけで、そういう人が仕事をしていないと仕事はやったらやるだけ、問題が残っていくことになる。

林与にも一杯糸があふれていて、それはロットごとに袋に詰められている。いろんなロットを一緒にまとめてしまうとゴミになるので、混ぜることはしない。同じ色の糸でもロットが違えば違う糸という概念がないと、この仕事は難しいだろうなあとそういう他の人の糸の世話をするのができるかできないかで、仕事ができる出来ないが変わってくる。

織物の仕事というのは単に織るだけでなくそういうのができないとなかなか難しい、手機さんでも、何十年やっている人が糸を間違わないために、こちらでもったいないのだけども、わざわざ新しいビニール袋に使う配色ごとにマジックで番号も書いて分けて渡しても、ビニール袋を農業かなにか他の用途につかいたいからと次の時にいったら、全部の糸が一つの箱にはいってるとか、そしてどの糸をどの織物に使うかわからないとか間違うとかが、年配の職人さんにはよくある話で、心配ばかりしながら仕事してもらうような状態。経験者ほど世話をしないと成り立たないような状態が普通で、若いものにやってもらわないと仕事ができない。

先代も同じだけども、自分が社長というのは考え方や判断すらも間違って、面倒な計算や面倒な仕事組なども耐えることができないので、どんぶり勘定で仕事を台無しにしてしまうタイプ。つくれば売れる時代の人たちというのは、売れなくなった時には変わらないといけないのだが、驕ったままでやって馬鹿にしていた海外の織物に追い抜かれたというだけのこと。プロが素人に負けるがあたりまえが繊維の世界。


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