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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

最初から最後までのよいところ

2020年11月07日

林与の場合には、仕事というのは最初から最後までみたいな作家的なモノづくりをプロがしているみたいなところがある。それというのは、普通に一つの作業する仕事よりも大変だろうと思うけども、それぞれの工程においてその工程の専門の人以上に物事を分かって仕事ができ、基本、一人いれば織物というものは最初から最後まで出来て出来上がる。それだけでなく、縫製もできたりとか、販売もしたりとか、伝票作業仕事もしたりとか。

作家レベルのものづくりにとどまらず、数人規模で量産の世界というだけでなく、できるものづくりにしても他の機屋さんよりも限界が深いことも多い。海外にもっていても、特色のある麻布の世界、そういうのが日本らしいものづくりなんじゃないかなあと思えたりもする。

もちろん、一部の作業というのは一人でやるよりも二人でやるほうが効率が上がる作業もあるけども、力のある二人がいれば、ワンモーションのなかでも、自分の余力で相手のワンモーションも助けられるので、力の無駄がなく仕事がはかどりやすくなる。そういう作業は、案外、年配の人よりも若い人のほうが気配りが上手だったりするもので、私が経験の長い人と仕事すると相手のスピードに落として待つばかりになるが、経験の浅い人のほうが私のスピードのその日からでもついてくることができたりするのは不思議なことである。学校でも普通に新しいことを学んでいけるような力が若い人にはあるのでそんなものだと思う。1時間2時間で、新しい人というのは作業を学んでいけるのである。経験者は逆にそれが難しいことが多い。

手の世界なので手のスピードというのもは必要で、私は、熟練した職人さんの2倍から3倍くらいのスピードがあると思う。移動するスピードもそのくらい速い。最近は、若いスタッフの子に抜かれてきたなあとか追いつかれてきたなあ思うのは、仕事のことを話していて、若いスタッフのこのほうが私の勘違いしていることなどを指摘してくれること、ありがたいことである。若いスタッフの子も、最初から最後までいろいろと動いてくれているから、仕事全部の話を共有できるのである。

固定概念みたいなのがあると、いろんなことをするのが難しくなる。固定概念を捨てて、目標をどうやって達成するかが大事で、それが他とは別格の作業内容になったり、別格のモノづくりにたどり着きやすくなる。日本の世の中は固定概念にとらわれがちになって、海外の人ほうが固定概念がなくダイレクトに最終製品を作り上げる力がある。


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