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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

次の世代は

2020年12月10日

次の世代というのは当たり前だけども前の世代よりも強くないと、前の世代が通用しなくなった業界では生き残っていくことは難しいなあと思う。繊維業界というのは60代、70代、80代の方が多く、新しい形には適応が難しいあたりがあって、その新しい形というのも自分が前に進めていくというあたり。

昔の人はそれなりにいろんな仕事が量も流れていて経験を積むことができた世代だけども、今の世代というのは見聞は多くても実際に自分が仕事を受けて失敗なんかも経験をするチャンスというのに恵まれないから、今の時代には自分でいろいろとやって失敗して何が正しいのかを見出すような部分が必要だったりする。

そうやって見出したものを、それぞれの専門のプロの人に依頼するみたいなことをしないと、頼んでいるばかりでは新しいものは生まれてこないし、やったら8割方、普通に失敗というか満足できないものに終わるだけ。専門の知識を持っている人というのはどうしても、失敗の経験を持っているからそこから抜け出してのものづくりは嫌がってしまう傾向がある。

生地なんかも、織物規格までしっかり煮詰めたものを注文してもらえたら、簡単に作れるけども、ニュアンス的なものでの依頼というのはできる限度があって、やったとしても、依頼される方の希望に沿うかどうかは、依頼される方の中の問題だったりすることも多い。そういうあいまいな部分を消していくためには失敗を経験もして前に進んでいくことだろうけど、今の生地企画がなぜか半年くらいで1回失敗したらそこで終わりというのがどこのアパレルさん相手の具体的な仕事の場合には普通で、1回勝負で失敗すらができないのである。

じっくりとしたモノづくりをしようとしたら、自分で時間を使っていろいろと経験してみるしか仕方ない。食べていくための仕事とは別に、自分自身が自分自身を伸ばして行かないと、他の人が自分を伸ばしてくれることを期待しても、そういう姿勢自体がそもそもモノづくりの世界には向いていないと言う結論になるだろう。普段の仕事の作業の一つ一つに対する感覚もありきたりに終わるだろうと思う。結局は、ぎりぎりなあたりのものづくりから面白いものが生まれることも多いので、問題を避けたければ、そういうタイプの商売だと普通のあたりのものを普通に流すしかないだろうと思う。

昔、あるイメージが派手系のアパレルのデザイナーさんと話していて、その方は個人的には落ち着いたキナリ系が好きだそうで、その方のすごく優しい性格からすると派手系は性格と合わないなあと思っていたが、仕事は仕事でプロとして会社のその都度のテーマに沿ったものを作ることを目指すみたいなあたりプロで能力も高いと思う。そういう人というのは好き嫌いで仕事していないので、好きでやっている人よりも協調性があって現実的で問題解決能力も持っておられデザイナーとして強いなあと感じる。

私自身も、仕事を仕事としているよりも、なにか面白いものを作りたいなあと思っているので、そういう面白いものというのは自分自身の中から生まれてくるものだから、人生観自体が普通だと普通のことあたりまでしかできないだろうなあと思う。普通の仕事をやってるときにも、いろんな面白いネタみたいなものを思いつくことが多いので、普通の仕事は普通にやって、プラスアルファの部分を自分で形にしていくことは大事だろうと思う。


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