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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

本麻織物

2020年12月26日

今も、ラミーの糸を使って織っているけども、今のスーパーロイヤルのラミー糸でも経糸に使うは、染めると毛足が短くて難しいなあと思えるくらいで、将来、本麻の純紡の細番手織物というのは消えてゆくのではないだろうかと思う。スイビ混のトップの織物なんかがラミー織物の細番手として生き残る形になるのだろう。

今、本麻細番手の手もみ織物も織れるうちに織れるだけでも織っておくかと思う。特に縦黒は難しいので、他の会社ができなくなっている。そういうものを私が今仕事ができるうちに残しておくというのも大事なことだろう。10年前には普通に織れていたものも織るのが難しくなって、日本の麻織物の糸からしての優位性も消えてゆく話になるだろう。

スイビ混の問題は、基本先染めが難しいことで、トップ糸という形で対応なのだが、色によっては強度が足りず縦使いが難しいことや、色ごとの収縮率の問題など、密度のそれほどない織物でも織るのが難しい致命的な問題があって、コントロールは難しいだろう。

100番手くらいのラミーの先染め織物を普通に作ってきただけに、純紡のラミーの織物というのはもう織ること自体が難しいようなところに来ている。ラミーは織ろうとすると糊付けが必要でリネン以上に高くなりがちで、高くなるのは我慢できても、安定して織れるのは白限定とか横糸だけとか制約が多くなりすぎて、かなり厳しい状況。流れる量が少ないと余計に高くなってしまう傾向で、着物向けだと糸を使う量も少なくて成り立つのかもしれないが、着物も需要が落ち込んでいてやっておられるところも厳しいだろう。従来のアパレル向けの本麻織物というのは終焉に近づいているのかもしれないと思うが少しでも日本の本麻織物の先染め世界を残しておこうと考えている。


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