for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

糸が入荷

2021年10月27日

ようやく待っていた糸が糸商さんに入荷したとのこと。織機を開けて3か月ほど待っていただけに、使いたい糸を手に入れることすらも難しいというのを久々に実感。他にも注文の打診をもらっても、良い糸が手に入らないから今はつくるのが難しいという返事をさせていただいたり、また、別のお客さんからは、4つのグレードの高い糸をテストしてその中でも一番問題のない糸を使ったけど、それでも、前回のよりも毛羽感があるという話、

正直につくると正直ゆえの問題が起こってくることもあったりするけども、それを問題があるからといって問題のないほうにもっていくのが良いことかどうか。問題のない方に持って行こうとするとキナリの色ムラなんかを避けるためには白い糸を生成りっぽいベージュに染めると問題は解決するが、それは生成の味をなくしてしまうことにつながる。

問題があるといっても、一部的な問題だとそこをうまくよけて使うという方法も取れるだろう。でもそういう小さな努力というのは量産の工程のなかではなかなか難しかったりするのが、糸一本一本を繋いで織ってる側からすると簡単なことじゃないのかと思うけど、妥協点というのはどこかに置かないと、大きな欠点を直すと次から次と小さな欠点が気になってくる。それは布を縫って修理したりすることもあるけど、どんどんと深みにはまってゆくことが多い。問題を避けたければ高度なものは控えたほうが良い気もする。

オフ白なんかでも、肌色っぽい晒されない筋が残ったりすることがある。それは天然の要素なのだから許容範囲にするべきなのだろうけども、全体に白いものにうっすらとベージュの筋がみえたりするとそれが服の一部になることを考えると日本の量産の世界では難しいだろうなあと、そうなってくると素材自体が無理をしない安全そうな方にどんどんと行く話になる。

林与のモノづくりなんて問題だらけでその問題を一つ一つ解決してゆくのが仕事で、解決能力の高いチームワークみたいなものが特別な世界を残して行けるんだろうと思ってたりする。そういうのが日本に残るのか海外が日本らしいものづくりを奪ってゆくのか、どこまで自分が犠牲を覚悟できるかが本当の日本らしい仕事の世界なんだろうなあと思ったりする。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内