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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

立ち上げ

2021年11月25日

今日は、織機の立ち上げ。立ち上げというのは機の規格変更などが伴うと非常に時間を使ってしまもので、二人して普通だと2日分くらいの立ち上げ作業。他の織機を動かしながらの作業なので余計に精神的な負担は大きい。よく、チーズワインダーで残糸を固めたりするときに、その作業はハンバーガーショップみたいなものだなあと思うことがある。追われながら次から次に糸のなくなった木管をあたらしい糸の残っている木管に交換して固めてゆく。単純な作業なのだけども、それを次々とこなしていけるかどうかで生産性は何倍も違ってくる。

機替えも1台今日行った。テスト用の小幅のL25の生成が終わったので、キッチンクロスに変更。テストはしておることが出来たのだけども、納期などを考えると難しい仕事なのかもしれない。このL25のテストは、林与のダブルラインのキッチンクロス用のテストと、もう一軒別のアパレルさんの企画の仕事のテストも兼ねているので、無理やりいろんなことが詰まっている中で入れ込んだけども、素受け月後とかには意味のある作業になったと思う。織ることが出来なければまた別の糸を探して作業となるのに、今織ることができて問題の改善方法なども見つかって加工方法のテストも兼ねた。加工方法に関しても一つの生機が3通りの別の布に見えるような結果となり、そういう結果には本当に満足。

林与も、ビンテージリネンの加工に関しての考察を重ねてはいるのだけども、その一つの仕上がりがビンテージのリネンのジャケット生地と似ている感じで、なかなかそういうリネンに出会うことが出来ないのでどうやって加工したのだろうという疑問をもっていた。別の加工方法は、柔らかくてシワになりにくいリネン。もう一つの加工方法はナチュラル仕上げっぽい感じ。興味深いことに、風合いだけでなくリネンの生成の色味もそれぞれとなる。

加工のことも久しぶりに短時間で思っていたことを深くやってみれて、長年疑問におもっていたことに答えみたいなものがみえたのはよい、しかも、使っている薬剤はすべてエコなもので人体に及ぶ影響などはよほどのことがないかぎり心配しなくてもよい。風合いというのは、不純物を取り除き、繊維をいかにピュアな状態に持っていくのかが大事な要素なんだろうと思ったりする。

こういう加工の応用で、ヨーロッパの100年前のビンテージライクな風合いのリネン織物の世界とか再現できる可能性はある。設備がないからできないとか、あまり硬く考えすぎないほうが良いのかも思うところもあって、自分のできる範囲でエコな薬剤を使いながらベーシックにやるのがそれが昔の繊維の世界のものづくりだろう。


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