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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

あさり

2022年02月13日

あさりが取れなくなった問題をどう解決するのかで、30年以上続いたのが、今回の国の産地基準。一番長く育った場所が産地という基準。産地を二つ股くこと自体が産地の定義自体をあやふやにしかねないのだけども、結局、海外産の輸入アサリを1週間とか短ければ3日とか、それ以外にも熊本県に入りもせずに業者が福岡経由で輸入アサリが熊本産と名乗り全国の8割のシェアを占めてしまっていたという、日本の国産あさりの30年に渡る偽装問題。

アサリというのは、消費者の中にはやっぱり国産のものというか安全なものを選びたいという心理があって価格だけではなく、輸入物か国産ものなのかを大事に考えて輸入物が半分の値段でも2倍の国産ものを選択する消費者が多いのが食べ物の世界。アサリ食べると分かるけども身だけを食べていても口の中で砂っぽいもんのがとかもジャリっと来ることもある。消費者からすれば熊本産の謳いに海外産2倍の対価を払ったのだから国産でないと困るのだけども、それが単なる輸入アサリに2倍の対価を払い続けさせられていたような、日本の産地問題。

繊維関係でも、例えば、綿麻というと、5%でも10%でも入っていれば綿麻なので安く作れるならそういうのが欲しいと言われる問屋さんも多く、林与の場合には使っている綿糸にしても、コーマーの細番手で麻糸と同じくらいの値段のするものだから、綿麻といっても安いわけでもなかったりする。ものづくりに敢えてお金を掛ける意味というのも、それは自分自身が作っているからの話で、アサリ業者のように取れないアサリを取ることを放棄して安直な方法に逃げてしまうと謳いだけが独り歩きしてありえない世界だけども希少な国産のアサリを謳えば売れて売れて仕方ない話、仕入れて売るだけで7割8割の粗利の世界。

繊維の世界でも、生きてゆくのに困っている問屋さんの方々もおられ、安く仕入れて高く売れるものが良いものというような定義で商売に携わっておられる方のほうが多かったりもする。私自身は例えばエシカルなことを考えるときに、本当のプロの究極の世界としては最近もそうだけども、良いものを求められている最終の消費者のためにできる限りの自分の良いものを作っているという意地みたいなものは通そうとするけども、それがやっていない人からするとありえないブラックな世界に思われたりもする。

でも、日本の職人と呼ばれる人が週に40時間働いて海外の素人レベルの人たちが家族を支え生きるために本気で働いたときに残れるのかというと全然無理な話で、それが日本の大手SPAが海外生産をする大きな理由。楽をして儲けたいという日本の風潮でやってる感だけでSDGs叫びながらも週40時間だと海外の人々を食い物にして日本の繊維の大企業が吸い上げているだけの話で、やっておられる方も知っているので名前出して申し訳ないけど、無印さんでも自分たちがありえない良いことをやっている謳いがいざ問題が起こると、単に仕入れただけの話で責任はサプライヤーの問題になるのが一番アカン話。素材の厳しさすら分からない人たちが手を出すと、日本の昔からの化かしてなんぼの世界につながってしまって、日本の大手SPAの犠牲者が正直に昔からやっている地場産業を引き継いでいる所だったりもする。

私自身は滋賀県の田舎の小さな織物工場の身分だけども、日本の大手のどこもがもっている後ろめたいような現実の世界を指摘はしているような立場。日本のアベノマスク問題にしても、わらえすぎるほどに、海外からの輸入商社に利益誘導で、国内のまともな業者を排除するのが日本の政治の世界。まともに働いていていろんな問題も知って正しく解決しながら責任背負って生きているものを、騙した連中ほど何百億の日本の政治そのもの。滋賀県出身の大手の総合商社さんも滋賀県企業ならそのあたり営利主義ばかりでなく、近江商人の本質に戻らないと、金儲けばかりでは近江商人を名乗ってほしくもない今の近江出身の日本の総合商社の世界。もうちょっとモラルを持って近江出身企業を名乗るならありきたりの欲に飲まれて汚さないように三方良しの初代のの気概に戻っていただかないと、日本の繊維の世界のものづくりを仕切りながら、地道にまともなのを食いつぶすだけのになってしまう感がある。

国民が苦しむコロナの危機に、1で仕入れたものを10に化かして、責任も国も取らずに何十億円も儲けながら右から左で国民の税金任せでぼろもうけして売るのは死の商人な話。日本の大手の繊維業界も国民の不幸こそが莫大な利益だったりで本当に腐ったなあと本当に思う。一番サステイナブルの反対にいるような企業がサステイナブルを謳ったりと本当に厳しい日本の政治と大手商社が国民を食いつぶすような世界。


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