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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

夜中

2022年07月16日

夜8時ころに寝て、夜中おきて仕事涼しくて非常によい。仕事というのは張り詰めたものがないとなかなか形にはなりにくいもので、今日も確認の計算ごとなどを何度も行う。まだ、金額などの計算は後でも訂正が可能だけども、仕事の糸量や糸を割るカウントなどの計算というのは計算間違いが大きな失敗につながるので、そういう計算は本当に大事。作業しながらも検算的に正しいかどうかを確認しながら仕事をする。

現場の作業というのは失敗しないように100点で仕事しないといけないのだけども100点を目指して仕事をするというのはなかなかできないことだったりで経営よりも厳しいだろう。逆に経営というのはいろんなやり方があったりもするが成り立てばそれなりに経営。

先日お会いした専門家の方が私と同じような経営観をもっておられて経営というのは続くことが大事だというような考え方。今のご時世にそういう考えを持っている人というのは本当に少ないだろうと思う。そういう考えを持っていると、過去のものづくりなんかを大事にしたりして、過去のレベルよりも上を目指すことから差別化も図れて高いレベルも維持しつつ自分のモノづくりが始まったりする。

それまでに会社で出来ることというのは自分のできることでさらに新しいことをやっていくような部分がないと。新しいことというのは何も新しい手法で新しいものをつくるとかじゃなく、織物の場合だったら、色柄の展開をいろいろと作ったりすることも含まれ、それをどれだけたくさん短時間でつくれるかとかも差別化の一つ。

日本の織物工場で、先染めで麻織物を織れる会社というのは非常に少ない。番手が細くなればなるほど麻の先染めは極端に難しくなってゆくものである。色数が増えれば増えるほどコストやリスクは上昇してゆく。今は、無地ライクな世界が広がりすぎてチェック柄が珍しくなりすぎて、なんとなくチェック柄が新鮮で人気な感じもするけども、無地の後染めと比べるとチェック柄の生地をつくるのは2倍3倍の手間がかかっていたりするのが普通。

また、チェック柄というのは、色だけでなく、柄の大きさの好き嫌いなんかもあったりして、一つの柄が万人受けするとは限らず、一人一人の好みにはまる確率が低いから流れる量もすくなくなりがちだったりする。そういうのがチェック柄を大量には作りにくいところで、小ロット生産によってチェック柄というのは余計に高コストになりがち、2000年あたりまではチェック柄をつくるなんて林与でも当たり前だったのに、もう今はチェック柄をつくることは難しくなってきてしまっている。

特に百貨店ブランド向けなどは、多色使いの柄は、セクションの色の堅牢度をそれぞれ取ったりしないといけないので、どこか一か所でも堅牢度検査に引っかかると駄目だとか、一生懸命に多色使いのモノをつくればつくるほど商品開発のリスクは高くなる。収縮率なども染めた色などによって異なったりするので濃淡差が大きかったりするとバブリングと呼ばれる現象が起こったりもしやすくなる。先染めの配色というのは、色が違うだけでは済まないが多くなりがち。先染め向けというのは染めたあとの糸の物性なども考慮が必要で、高品位な安定した糸を探して使ったりする必要も出てくる。


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