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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

いろんなつながり

2022年07月26日

近江湖東産地の麻業者というのは林与と近い遠い親戚つながりのところが多かったりもして、集落というのも一つの親戚集団だったりもしたので、外の集落にとつぐことで親戚つながりが広がったということもある。昔ながらのつり合い的な感覚で、機屋の娘が機屋にとつぐというようなことは案外想定内のことだったんだろう。小さいころから手作業や動くことに慣れていないと大人になってからその世界に入るのは難しい。

他のつながりでも保証人になったりとかもあったりで、もう廃業されたのだけども当時は理事長をやっておられた会社の保証人にもなっていたりもして最後その保証したぶんを片付けたりの仕事も保証人になった先代経由で、結局片付けが私に回ってくるような。今の時代にはそういうの少なくなってはいるけども、羽振りの良かった昔はそんなものである。

業者の会合でも初対面でなぜか同業者の一人の方が私を持ち上げてくださるのだけども、その方の保証人にも先代がなっていたりしたりで、その方も残念なことに仕事中に病気になられて入院され1年の仕事が飛んでしまい廃業された形。その1年ほど前に林与も家族経営に会社を縮小をしたので保証人もやめる形で保証人探しからも苦労をされていたろうと思う。

そういう方の家が残されたものが地域の資産として活用されていたりで、廃業された方だけども人一倍地域のころにも熱心で、外からの目で古い体質的な麻業界を見ておられるところもあって、ヨシオちゃん、思い切てどんどんやりやと常にハッパかけていてくださった。古い体質の業界で、そういう方というのは珍しいのだけども私自身も若い人たちに対してはそういう風でありたいなあと思う。会社の中も、昭和の良い時代の先代的な古い体質だったので、そういう方は若いものが覚悟決めてがんばれみたいで新鮮であり、外から機屋に入ってこられた苦労というのがあってその苦労を私に重ねて期待も掛けてくださっていたのだろう。

自分が苦労をされてきた人というのは、そういう苦労が成り立たせる元であるとよくわかっておられて、そういう苦労をする人がいないのを分かって、苦労を背負う覚悟しているものを持ち上げようとしてくださる。私も苦労をしたのが先代つながりの仕事の人脈を考えの異なる私風に残しつつ、新しい形で新しい人たちとのつながりを作っていくのかというあたりで、それは一般論でいえば世代交代の問題にも通じる。前の世代が羽振りをきかせていると終わりを迎えるだけのことだろう。

よくありがちな繊維の地道な仕事が面倒とか嫌だとかのレベルじゃなく、続けていこうとしても続けていけなく廃業された織物業界では多く見てきて、繊維業界で織物業というのは本当に厳しいなあと思う。私が仕事に入った25年でも、産地でも、いくつもの特色ある機屋が消えて行かれた。新しいものをつくられない定番型か、ボリューム生産の賃機屋さん的なところのほうが残られたような形。


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