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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

現場

2022年09月06日

今日は加工工場に反物を取りに行くと現場の人が林与の上がってくる反物のことを覚えていてくれてまだ時間がかかりそうということを教えてくれる。一日中反物が上がってくるのを次から次に出荷の用意、現場というのはどこも同じだなあと思え、まさに仕事の世界である。そういうところにファンシーな理想はないし責任感とかそういうのが大事で仕事の覚悟のようなものがないと務まらない。そういう人たちが現場にいてくれるから仕事が普通に回っていくのであって、そういう支えている人たちが仕事に何か別のものを求めてしまってはもううまく回らなくなるだろう。

そういう人たちと会うと別の会社の方々でも安心感があって仕事での関係ながらも仕事を頼んだ一生懸命に正しくやろうとしてくれてありがたいなあと思う。一方で、山師みたいな人もいたりして儲け話ばかりしているような人もいて、自分がリスクをせずにリスクを背負うカモ探しみたいなところがあってそういう人には関わるとややこしい。具体的な現実的な話ができて実際にそれを形にしていける人というのは時間の無駄もないし、形にしてゆくことができるので失敗してもやり直しなどもきくが、大きなこんなことをしたいという話だけがグルグル回っている人というのはややこしいし、自分自身が形にして行かないと駄目でそれは現場の作業と同じですごく地道なことで、たぶんそれはその人の理想とは異なるだろう。

素材を探しておられる方で私からするとそんなにも特別でもないので、林与ではなく他のやっておられる方が持っておられるものを探された方が値段も合うんじゃないかと思うケースも多かったりするけども、そういうところとも条件が合わないのだろうと思う。少量で特別につくるとどうしても高くついてしまうし、林与がつくるときにはそれなりのものを目指すので市販で数メートル買う時よりも100mとか生産していると高くなる場合が当り前に多い。高級なプロ向けの素材というのは安定性みたいなものが第一に求められて、市販の生地とは別のグレードであるのが普通のこと。

フランスで手に入れたビンテージリネンということで、一見、500番手クラスのモノを見せていただいたけどもそれは、綿をリネンとよぶ実際は綿の世界。イタリアンの展示会などでもフランスのアンティークアパレル業者が綿のビンテージ物と麻のビンテージ物を品質表示も付けて出されていたけど、100番手を超えるリネンは本当に珍しいくらいで、フランスの場合80番手くらいまでが普通。まあ、レッティングの違いや紡績方法、加工方法の違いがあるので今にないふっくらとしたリネンではある。フランスのアンティークリネンといっても基本40番手くらいのものが普通ではある。フランスじゃあ綿のことをリネンと呼んでもそれは普通で、ホテルのリネンにしても本当のリネンの場合もあるけども、普通は安価でよりしなやかな綿に置き換えられたが、それをもともとはリネンだったからリネンと呼んでいるだけのこと。


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