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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

撚糸機

2022年11月15日

昔、いろいろと麻の撚糸物をやったことがあって、それはそれなりに撚糸っぽい風合いになっていて、普通のリネンとは異なる感じがあったあたりが面白かった。撚糸というのは昔の糸だと、落ち感が出て柔らかくなったのだけども、今の糸だとじゃりじゃり感が出てしまって硬く仕上がってしまう。それは糸の質の違いなのだろうと思う。もう一つの機械は、ちょっと使いこなせるかどうかは分からないけども、それも新しい生地の開発に使えるのではないかと、一目ぼれ?して、移設の手間も考えずに出物があると聞いただけで、譲ってもらうことに決めた。

自分自身で移設するというのは、不確かな要素ばかりで、私自身も十分な機材をもっていないので、そのあたりどこまで人力+アルファで、分解して運んで、再度、林与の中で組み立てられるかというあたりの問題は自己責任。業者に任せても、分解せずに運ぶという形なのでそれでは林与まで運んでもらっても、工場の入り口付近にしか設置ができないということになる。私の予定では、工場の中にあるシャトル織機で部品が手に入りにくくなった2台を部品取り用に分解して、スペースをつくって、そこに撚糸機ともう一つの機械を設置する予定。

撚糸機にももう一つの機械にもインバーターを取り付けて、ゆっくりと動かすことで今までなかなか作れなかった糸なんかも作れたりするんじゃあないかと妄想は膨らむ。撚糸機も今までは業務用の歯使ったことがないので初めてだけど、やればなんとかなるという考え方。もう一つの機械も実際にうごいたところを見たこともないけど、ベルトも外れていたりするけども、なんとか修理もできるだろう。本来はウールにつかわれていたものだけども私はリネンに使おうと考えている。

迷っている時間はない、私に残された時間にしても長くても20年くらいしかないので、めぐって来たようなチャンスというのは、ダメもとでもトライしてみることが、失敗に終わったとしても経験としては大事だろうと思える。織機もそうだけども他の人の力というのを期待してもなかなかうまくものを作れるところまではいかないので、自分自身がいろいろと機械をさわって調整をしてみて、どこまで自分が使いこなせるかというあたりが一番大事だろうと思える。

せっかくの機械なので大事にはしたいけども、逆に中古の機械なので自分が割り切って思いっきり使うこともできるし、それで学んだことがあれば新しい機械を購入する方向に向かうことも可能だろう。練習用にはもってこいなのである。撚糸機にしてももう一つの機械にしても、小ぶりのものでも新品だと何十万もするもので、撚糸機も昭和50年ころに中古で導入されたものだそうだけども、輸送と設置も含めて当時200万円ほどしたそうである。そしていい感じなのはレトロチックなところで、林与のシャトル織機などとも整合するような雰囲気。今のスタイリッシュな撚糸機とは違って、昭和の機械のイメージそのままできっとそれはリネンを撚糸するには合うだろう。

また、もう一つの機械も、以前やろうとしていたことがあって、そのために自作しようと考えていた機械で、本格的な業務用が手に入るなんて言うのも夢にも思わなか炊けども、それが手に入ることになって、やろうと思っていたことを格安に試せるチャンス。1年とか2年の間にいろいろと試してみて、どこまでできるのかやってみたい。ちょっと壊れているところもあるそうだけども、それは自分で直せるだろうと思う。シャトル織機よりも構造は単純ではある。

次の盛岡は友人と二人で月末に行くことになって、ハイエースや軽トラでは小さすぎるから、レンタカーする予定で、アルミバンを借りたかったけども空きがないということで、2トンの平トラック。まあ、普通車料金だし、燃費もよいだろうからそれでよい、オートマなので楽だろうし、構想道路で直線的にいけば片道11時間ほど、疲れていたらスーパー銭湯みたいなところがいくつかあって宿泊も可能だそうで、平トラックなのでお天気だけが心配だけど積みやすいだろう。段差を解決するためにハンドリフトを買って積んでいこうと計画、ハンドリフトは工場内の織機のドビーを交換するのにも今後活躍するだろうから無駄にはならないと思う。

今、会社は前と違って私が自由に動ける環境なので、思い切って自分の力をフルに使って自分にとって新しいことをやっておきたいなあと思う。移設というのは大変なことなのだけども、みちのくあかね会さんも、新しい場所への移設をほぼ終えられてスタートされている。思い出すのが8年ほど前になるだろうか、シャトル織機を移設したときに自分いろいろと動いてみて、自分でやってみるとうのも本業の織物の仕事と比べたらそう難しいことでもないというのを感じた。案外、織機を運ぶというのは単純な作業に思え、設置もそれほど手間でもなくて、あとの調整のほうが大変で、その部分というのは結局、自分がやらないといけないので、移設も含めて全部やってしまうのも自分の思い通りにできて悪くはない。

昔よりも経験はあるのだけども、問題は体力が昔よりは足りなくなってきているので、無理をしないように、機材をそろえて短時間で作業が進むようにやってみようと思う。先日の撚糸機の分解も初めての作業だったけども5時間ほどでほぼ分解が終わった。みちのくあかね会さんも新しい場所が狭いことと業者に頼んでも移設が難しいということで手放される話。私も覚悟があって、運び出せないときには、機械の代金はお支払いするけども、分解できないときには最悪ハンマーで壊してでもそれを撤去してスクラップ買取業者にもちこんででも、その場所を片付けるという覚悟で臨んで、分解できてよかった。

ものごとをするときには覚悟が必要で、実際に織物の仕事をしていてぶつかる壁というのは、この比でないことが多く、織物が織れないときに糸から用意し直すとかは100万円コースだったりすることもある。普段やっていることとは違っても、リスク的には駄目でも数十万円の話で、覚悟決めて自分でやってみるしかない。私の友人も月末には盛岡に一緒に行って手伝ってくれるというので心強い。


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