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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

岡山

2023年04月03日

織機のドビーが壊れて、その後、応急的に対応をしたものの、浮きが数センチ出てしまっているような状況が見受けられ、その原因が分からずに、ビームも小さくなってきてシャトルを挟むようになってきたので、縦のテンションが強すぎるのかと、若干緩くしたことが目飛びを誘ったみたいで、経糸の何枚目かが緩んでテンプル間際の部分の糸をすくった感じか。

原因が分からずに、納期が迫っているときというのは本当にピンチで、こういうときほどは落ち着いて、問題があるまま織ってもキズのものを織るだけになるので、原因を考えることは本当に大事だったりする。

理論的には正しいことでも、現実的には見えていない問題があって、正しく織れないということがあったりはありうる。織機の縦糸というのは1列に並んでいるけども、右から左まで同じ条件なのかというとそうでもないのである。

普通の織物だと問題にはならないことでも、ギリギリの状態に持って行って織っている織物では、そういうことも浮き織をつくる原因になり、縦のテンションを強くしてあげることでより経糸全体のテンションが均一になるようにしてあげないといけなかったようで、それが数日で分かっただけでも幸い。

でも、ドビーに応急処置をして、駄目になった1枚を使わない形で後ろに送って織る方法というのがこのような別の問題の可能性を持っているということで、落ち着いた時にはドビーの壊れた1枚の根本的な修理を覚悟しないといけない。これはなかなかやっかいな話だそうで、林与自身がやることになるのだけどもダメもとでやってみるしかなさそうである。

プラスチック部品が割れて壊れてしまうのは、AICHIドビーと呼ばれるドビー特有の問題らしく、1980年代初頭の織機だけにもう40年も経てばプラスチックも劣化してくるのだろう。他の台のドビーでも同じようにプラスチック部品が割れて、1枚動かないが増えてきている。

ドビーよりも複雑なジャガードも、同じようにハリが曲がったりすると浮き織が起こったりして、ジャガードの本体上部をほとんどバラバラにして整備し直したこともある。やってやれないことはないのだけども、日本は織機メーカーが何十年も前から消えてしまったような織物業界、そのあたりも日本の織物の生産が難しくなっている原因の一つである。


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