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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

国内物価

2023年04月18日

岡山に行ったときにサービスエリアのコンビニに入るとなぜか食品関係が2割から5割ほど高くなっている感じ。100円くらいで買えたパンが150円くらいになっていたり。食品を中心に原料高からの物価高が勢いを増しているようである。

今も、原材料費の高騰は続いていて、糸の海外からの仕入れをストップしないといけないほどの危険領域。国内の繊維需要はそれほどの回復を見せておらず、2倍とかに高騰する原材料を仕入れてうまく回せていけるのか否かというと難しいという判断が業界の中ではあったりする。

高級ブランドも、輸入物価の高騰で国内生産には向いては来ているだろうけど、国内においても、糸を中心とした原材料費の高騰で半年後の本生産の値段が提示しにくいような状況になってしまっている。流れる量というのは限られているのではないだろうか。

今も直接購入いただく先様とは価格の話なども比較的しやすくて、この半年先や1年先の弊社の生地価格などをお伝えしやすい。基本、サンプル時に量産価格を約束してしまうとその後に糸が値上がった場合など、本生産の発注を受ければ仕事しても利益が出ない可能性も高かったりもする。作りたくても、サンプルに使用した銘柄のリネンの糸の国内在庫がないというケースも十分にありうるだろう。

今から半年以上後のことを考えて糸の準備をしておかないとなかなか半年後の仕事というものが現実的でないとか、糸の銘柄変更で風合いや表情が変わるとか、糸の染まり具合なども変わってくるとか、ある。

低価格のボリュームゾーンを取り扱っておられたところほど大変だろうなあとは思う。価格変動のリスクが高すぎて流れる量も多いので、企画すらも進められないのじゃないだろうか。ここ何十年となかったことだけど、遠い昔のオイルショック前のようなアパレルの売り場に商品を揃えにくいくいような状況が生じてくるかもしれない。

過去三年ほど国内アパレルは超不況状態にあって、体力も温存できていない状況で、問屋業なども廃業されたところも多い。一般的にこの3年間というのは、繊維関連企業の多くが仕事が少なくなって雇用調整補助金などを活用されてきたところが多く、それもなくなってゆく局面で雇用の維持すらもが難しくなられるところも多いのではなかろうか。

3年間ほど半分くらいとか半分以下の仕事で回っていたところの仕事がコロナが明けたからと言って、2倍になって元に戻る可能性があるのかというと、もうそのくらいまでブランドさんなども淘汰やブランドさんの売り場の淘汰が進んで、需要の回復には新しく元気なブランドが出てくるとか、売り場数などが元に戻るまでには、時間が掛かるだろうと思われる。

国内の生活様式も変わって、リモートワークでオフィスに出社する必要もない生活になれてしまって、ビジネスユースの高級アパレルというものはコロナが明けたからと言っても元に戻ることはないだろう。トラベルやイベント向けの回復はあるだろうと思う。


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