for English speakers: Welcome to HayashiyoWelcome to Hayashiyo
リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

海外の進歩

2023年08月12日

2007年ころに中国の展示会を見に行ったときには、後染めの生地ばかりが並んでいて、林与の作っているような先染め生地というのはほとんど見かけることがなかった。また、天然繊維に関しては、色合いにしてもなんとなくくすんでいるような浅い色のものがほとんどで、展示会の何千もの生地出展者の無数に思えるほどの生地を見て回っても麻に関しては日本との品質の違いというのは明らかに思えた。それから15年。中国が日本の繊維業界を吸収してしまったかのように思えるほどに、今、中国の展示会に行くと先染め生地はもちろんインクジェットで自由に生地をデザインするのが当り前で、日本企業がそういうことをやろうとしても中国のように簡単にものがつくれるような状態ではなくなった。中国にしても日本の5倍くらいのスピードで進化して中国の繊維業界もベトナムでの生産に移行するような流れ。

デフレの流れの中で、日本での生産がどんどんと海外に移る流れになって、日本企業も海外で生産をするようになり、日本の品質が中国にも移転され、一方で国内では量産の仕事が少なくなり、ニッチェ的な小ロット生産の流れ、製造業を知らない人というのはそれが日本のものづくりだというけども、日本のように終身雇用的な雇用形態で、高齢化した現場においては、なかなか普通のものをつくるも難しくなるのである。ましてや高度なものなどというのは、ほんの一部の人しか携わることが出来ず、あいまいな人が関わるだけですべてが失敗に終わる可能性が高くなり慣れた以外の仕事は頼めないことになる。

国内の繊維業界でも新興企業が海外生産で、国内販売には若い人たちを非正規雇用して伸びていく一方で、伝統産業系の繊維の現場では高齢化で生産性も低くなり、まさに明と暗みたいな対照的な世界が、日本の繊維業界の中にある。これは一企業の問題ではなくて、日本の終身雇用年功序列的な雇用ルールを守って長くやっているとどんどんと難しくなっていくという時が経つごとにどんどんと難しくなる構造的な問題で、社会構造的な破綻。

構造的に難しいような土壌を取り除かない限りは、人を多く抱えた企業というのは成り立たせるのは難しい問題がある。手間を売りにしているはずのものづくりが、働く時間もどんどんと短くなれば働いている人も経験も少なくなり器用でもなくなり手抜きになるばかり。そういうの極端になってくると、謳いは美しいが、産地偽装やビッグモーターのようなことをやれば、メガバンクなどもお墨付きの飛ぶ鳥を落とす勢いの優良企業として成長できるみたいな。偽装の大元はビッグモーターでも経営陣は自分たちは指図していないというがいうこときかなければ切り捨てるみたいなのと同じで偽装に手を染めさせる。結局はいろんな企業の偽装にしても、経営的に無理な数字を求め企業に強いる国レベルなのかもしれないなあと思えたりもする。

優良企業とされている大手ほど経営の数字は良いのだけどもいろんな構造的な偽装が問題になって、そういうところが優良企業とされて金融資本が流れてきたのだけども、数字しか見ていないとそんなふうな根本のところで構造的に問題を抱えた企業系になりがち。カネがらみで捕まる政治家たちが主導する国ながらも、もうちょっと行政レベルもモラルみたいなものを持たないと、法律すらもがボタンの掛け違えを生んでしまう。今も、大阪でカジノ構想とかあるけども、安直で他力本願的なところがあって、そういうの喜ぶのは利権がらみな政治家とかのレベルだろう。あんまり後のこと考えていないだろうが、利権ほしさに将来にマイナスが残るようなこととかはやめてほしい。日本の将来は、次の世代に白いままで残してあげたい。目先の利益を追い求め、問題を将来に先送りする出なく、今の世代が今の問題を解決してゆくべきだろう。

今の若い人たちの憧れがYOUTUBERだったりで、そのどこに憧れるかというと金満なところやお金儲けの部分。私自身が手織り体験とかして思うのが、自分で作ったり自分のつくったものを大事に思うような気持ちが子供たちには本能的にあるのだなあと感じる。子供たちが織っているときに上手とか下手はない、簡単な説明をして後は自分なりに織ってもらって、分からなくなったら少し手助けするだけ、自分自身が前に進めていくという部分一番大事だと思うし、とことんやってほしいし挫折してほしくないから、親御さんは、サポートしている私のことを気にしてもう迷惑だから終わろう見たいにいわれるけども、私自身はとことんやってほしいので、夕方まではやってるから織りたいだけ織ってという。単に手織り体験というだけでなく、織った布を記念に持ち帰ってもらうのもすごく喜んでもらえ、小さな宝物。自分で織った布ということがすごく大事な部分で、私の自分がつくった布への思い入れと似てるんじゃないだろうか。米原のイベントでは、織物体験用に広いスペースをいただいたけども、多くのお子さんたちに体験してもらえてフルに活用をさせていただけてほっとしてる部分もある。盛り上がって林与自身本当に楽しかった。次は9月8日9日のマイドーム大阪での大阪てづくりフェア2023で、「超かんたん無料手織り体験」やります。


ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内