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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

手織り機

2023年08月26日

新しいことをやろうとするときには、全部が揃わないとできないことが多い、今も織物のラチェットギアをつくろうとするのだけども、素材から吟味、スズだと鋳造がやりやすいが耐久性に問題がある。アルミだとどうだろうか、鋳造もしやすいがやはり硬度の問題が、そこで真鍮がやはりよいのかとおもうが、それなら鋳造よりも削り出しで作ったほうがよいだろうと。

素材が真鍮で、大きさがφ50、厚みが5mm、ギア数18程度のもの。近いものを探してもみつからないので、自分で作ることになって、まずは、真鍮のφ50の丸棒を5mmにカットしたものを手に入れようと探す。それがうまく手に入れることができ、それをどうやってギアに加工するのか。バンドソーが直線的にカットできるので一番理想的だけども、バンドソーの厚みが3.5mmとか5mm、それならグラインダーでカットするほうが裁断砥石の厚みは1mm以下なので良いのではないだろうかと。

そのギアをセットする丸棒の直径とさらにそこにさす紙管の内径と外径と、その紙管に付けるフリンジの内径など、ミリ単位で大丈夫なのかと心配しながらもそういうパーツを集めて、最終的に自分が作りたいものに仕上げる。手織り用の経糸のビームセット。仕事の合間に、こういうのは考えて、集めるだけ物を集めて、試しに1時間2時間使って作ってみるとうまくいったり行かなかったりで、また、仕事しながらより完成度の高いものにするためにどうすれば良いのか考える。

一からすべてつくっているとすごくお金が掛かるので、既存の物を使いながらそれをうまく組み合わせながら使えるように持って行く。同じ手織りをするにしても整経とか経糸の準備という部分が本当に一番くらいに大変な部分で、そこをどううまく解決できるのかというあたり。木工の本職でもなく、手織りの本職でもない林与が、今の手織りの問題を解決しようと考えている。

15年ほどまえに手織り機をつくろうと考えたときもあったけども、その時に悩みだったのが、ラチェットギア。通常手織り機には、前と後ろの巻き取り棒にそれぞれ1個づつラチェットホイールギアと爪がついていて、空回りを防いでいる。それが一般的には金属製で、それを一から作るとなると大げさすぎるから自作の織機は難しいだろうなあと。

そのあとに広幅絣プロジェクトをやったときにも、広幅の手織り機で織るほうがシャトル織機で織るよりも簡単だろうなあと思ってたが、同じく、ラチェットギアをどうするかというところであきらめてしまっていた。今、ラチェットギアの問題が自作することで解決できそうになり、自分自身で手織り織機を自作することが可能になりつつある。

ソウコウ枠なんかもシャトル織機のものを使うことも可能だし、より軽量化のためには自作するのがよいのかもと思い始めたりもしていて、綜絖は糸綜絖か、シャトル織機のワイヤーヘルドを流用すればすべてのパーツが揃うことになる。自分の思うサイズの手織り機が自分でつくれるということは、自分のすきな幅の織物を織るというためには理想的なこと。

今、現場が手が足りていないので、手織り機を自作するほうは材料やパーツを集めるというのをやっておいて、時間が出来た時に作業して、シャトル織機の綜絖や綜絖枠などのパーツが流用できるような手織り機を作ってみようと思っている。一つの手織り機をつくるのも、一つの織物をつくるのと似たような作業に思えたりもする。


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