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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

外の世界

2023年10月16日

20代の後半に会社に入ったときに、とにかく目の前の仕事は自分の全力を出して精一杯やろうと考えていた。まだ、大手SPAのものづくりが旧来のアパレル業界からは笑われていたころの話で、働いている人たちというのも気楽な気分が漂っていた。仕事は普通にあるものというような雰囲気で、値段も通る世界がまだあったりもした。

その背景にはやはり土地バブルというものがあって、昭和の時代の年功序列型賃金制、終身雇用制度というようなものを支え、さらには、高級ブランド志向を支えていたところがあった。バブルの世代をしっているものは、今の10倍の値段の洋服を普通に買い物していて、その時の価値感が今も残っているようなところがあるから、洋服にもお金を使うのだけども2000年以降のデフレの時代というのは安いものがファッション化した時代で、若年層を中心に国内生産ではなく、海外生産の安価な洋服を買うことがファッションとして定着して、私はテレビを見ないのでよくわからないが、昔は高級ブランドのテレビCMばかりだったが、テレビCMもそういう大手SPAのCMが流れるようになったのではなかろうか。逆転するのは早いもので、それは、同時に日本が中国に追い抜かれてゆくのと似ていて、2000年ころの東京と上海では、上海のほうが未来化して2004年にはリニアが開通し実用化された。

中国の繊維関係工場というのも多くの人を抱えていたために競争してでも仕事を取りたいような状況で、働く人たちも仕事を転々としながら、能力が高ければ高い給料、能力が低ければ低い給料で、働くことでより高い給料を得ることを目指し、失敗した仕事は休み時間に直したり居残って直すような形で、できるものは休み時間や残業して工賃仕事をこなして経験と収入を上げていった。そういうものづくりが日本の大手SPAの裏側のものづくりで、日本がサラリーマン化して失ってしまった部分を補ったのである。中国の工場が独自のブランドを作らずに海外向けはOEMに徹したというのも下働きな地道な部分で、そういう下働き的な地道な部分を10年覚悟してこなせば、世界中のブランドから製造を依頼されるようにもなって、さらに経験も品質も上がった。一方日本国内では、高い労働者の能力とより多くの手間と時間を必要とするような小ロット多品種ジャストインタイム的な生き残りを目指せというようなことを経営理想とする半面、働くことは悪いことだ見たいな風潮をつくりあげ、多くの企業はつぶれて行き、上場企業ですらも行きついた日本の厳しい基準に縛られて偽装せずには成り立たない状況が蔓延をしてしまって、デフレ以降の日本では厳しい日本の品質基準を謳いながらも、手抜き工事や強度偽装品質偽装などが横行して、5年後には残らないような、太陽光、地デジ、LED、など政府の補助金ビジネスばかりが時のビジネスとしてタケノコのように生えて来ては消えて行った、同時に日本の家電メーカーも消えて行った。

日本の大手SPAのものづくりはものづくりだけに終わらなかったから、新興であったために国内では正社員でない若い非正規の従業員を大量に使うことができた。百貨店販売ではなく路面店形式をとった、製造も日本の硬直化した繊維製造システムではなく世界規模での製品の企画と製造、仕入れ。旧来の業界のもつ重荷から解放された自由なものづくり、そしてその裏の素材品質は日本の大手の繊維素材メーカーに支えられ、新興国が日本の繊維業界の大手の製造技術を引き継いだ形。色にこだわらない原色的な5レンジャーカラー、もう一つが、白黒ベージュのカラーテイスト、どちらも一番モノづくりを安くつくれる色、世界中で共通の色、色で悩むことはない。ジャストインタイムと言われたモノづくりではなく低価格を目指した大量生産型。すべて日本国内の旧来の高級ブランドの展示会受注型とは逆の思想で、社内に年配者たちも抱えない自由で新しい繊維業界の形のスタート。国内では重くなりすぎた製造じゃなく、企画と販売だけに特化した、新しいことに挑戦ができるスタイル。日本のSPAが世界規模で広がったのも、ほかの海外SPAとの違いは、日本の大手素材メーカーの存在が大きかったんじゃあないだろうか。日本の素材に近いものを海外で生産するだけでなく、製品企画にも精通はしている。新興国の普段着市場を持ったことも旧来の日本のアパレル業界とは異なるところで、原色カラーが売れるような海外テイスト。

国内の旧来の繊維業界においても仕事というのはやろうとおもえばいろいろとあるのだが、人がいてもそれをこなせる人がいないという問題がどこの現場でもあって、目の前にあるものごとを仕事と請けいれてそれを初めてでもやろうとしてできるかどうかだけなのだけども、長年の経験者ほど経験がなければ慣れた仕事以外はやろうとしないし、説明した新しい方法ではやろうとしないことも多く、初心者の人と同じ様な問題を抱えていることが多く、国内というのは高度な新しいものを生むこともできなくなって、どんどんと通用する市場はなくなり生産量も落ちていった。日本人は昔は器用だったというのが事実だが、今はもう海外の新興国の人のほうが実際に働く時間も長く大量の物を扱っていて器用だろうと思う。国内でほしいものをモノ作りするよりも世界中から欲しい製品を探してくる時代になったのは事実だろう。

時計、カメラ、計算機、コンピューター、システム手帳、財布なども今はスマフォの中にまとまり、アップルとサムソンという2強が世界シェアの多くを占めていて、日本市場ですらも、日本の家電メーカーの市場での割合は小さい。低価格スマホは中国メーカーのものが多い。2019年あたりまでは、アップルもサムソンも生産拠点は中国というのが基本で、中国のものづくり一強時代が、繊維だけでなく、スマホや家電でも続いてはきた。世界の生産拠点となった中国は不動産バブルで、日本の経済成長の3倍くらいのスピードで経済大国化した。今は中国に行くのも難しくコロナ以降行っていないが、もう物価は、日本よりも中国のほうが高いだろう。最後6年くらい前に行ったときにも簡単なお昼の弁当でも10元=200円するって言ってた。中国でも普通に自動車が普及するようになり、日本の最賃程度の時給が普通になってきた。中国の発展モデルというんは日本の経済発展モデルを濃くしたような感じに思える。自動車も車検制度があったりと他国が参入しても自国基準で自国のものづくりを守ることができるようなモデル。

繊維の世界にもそういうモデルがあって、ケアラベルなども日本式が当り前で、ケアラベル一つでも日本メーカーは厳しく締め付けられていたのに、海外メーカーの圧力には弱くて、ISO式に変更。なんだったのだろう今までの日本の国の国内メーカーに対する国の締め付けは、赤と黒の2色をつかったものでないと、塩素×も認められないとかやってたのに、今は、海外に合わせて1色がOKとか。国レベルで製造業者を苦しめてたのに、今は海外のコインランドリー洗濯方式ケアラベルに合わせろという指導。国内メーカーというのは国のだらしないのに振り回されすぎる。消費税の表示方法の変更などにしても迂闊すぎるし、今回のインボイス制度も迂闊すぎる。この普遍性の無さみたいなのが、小売店舗なら、レジなども含めてすべてを買い直さないといけない変更になるとか、ほんとどこがサステイナブルなんだろうと思う。自社形式の請求書のつづりとかも大量に作ったところは気の毒だし。仕入れ消費税を被る負担よりもそういう部分の負担も伴い、仕入れ先が適格業者化どうかによる会計処理の複雑化とか、馬鹿×3乗みたいな話。


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