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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

天然繊維の世界の価値観

2024年02月20日

昔の繊維業界というのは生産車が産地と結びついていて素材に特化していたことがあり、麻、綿、絹の3大天然繊維においては、100%であることが一番の謳いであったりもした。日本の繊維基準というのは非常に厳しくて、量産型のオーガニックコットンが事実上、遺伝子組み換えでなりたっていることもあり、インドにおいては遺伝子組み換え種子をつかってもオーガニックを謳えたりするような努力目標というだけになっていたりする。

それでも国際認証のラベルがついて、遺伝子組み換え種子不使用とかを大々的に謳っているけども、認証機関が敵対している遺伝子組み換え種子かどうかも判別もせずに、綿レベルでは見分ける技術は現在ないから問題はないというような表明までしてしまっていたりする。謳いを信じて騙されるのは消費者でそれば一番駄目なことなのだけども、遺伝子組み換えに反対する人がオーガニック認証を信じて買っても遺伝子組み換えコットンが広がるだけみたいな状況では駄目だろう。

モサントをバイエルンが買収したことによって、ヨーロッパで遺伝子組み換え種子に対する批判は一気に冷めた感じがする。ドイツというのはエコやサステイナビリティのロールモデル的な国だったが、フォルクスワーゲン社が、クリーンディーゼル偽装を20年もやって消費者に自動車を買い替えさせて実際にはその自動車が排ガスを垂れ流しまくっていたというような金儲けのための偽装にエコやサステイナブルが利用された。

オーガニックに関しても、ドイツという国は先進国的なところがあるけども、認証自体がもはや怪しくなりすぎて、地球環境を守るための謳いだったはずの、インドや中国、アメリカなどのGMコットン先進国においては、遺伝子組み換え不使用も無理だといわれていて怪しい。あろうことが100%でオーガニックだったのがなぜか95%でオーガニックを謳うとか、オーガニック偽装まで始まった。

もう消費者むけの謳いのオーガニックという表現すらもが、嘘で認証のラベルがついてしまっているような状態。繊維業界からすると化学繊維と混ぜてしまったりしたら、その素材の産業廃棄物レベルは一気に高まる。天然素材100%なら廃棄も簡単だけども、産業廃棄物の難度の高いものを製造現場が生み出すことにつながり、環境負荷は高まるような流れをどうしてやってしまうのか。それでエコやサステイナブルを謳うとか、どんどんと落ちながら。基準と言いながらもどんどんと落ちていくだけの基準で、消費者への謳いだけが最初のままとか。

繊維業界の業者も日本ではプライドがあって、本物と謳えるようなものをつくることに掛けていたが、今は、お金が儲かればどうでもよいようなビジネス感覚でオーガニックやエコを信じる消費者騙しになってしまっては駄目だろう。コットン100%の普通のもののほうが当たり前に95%コットンのものよりも価値は上ですよ。なぜ、100%でもないものにオーガニックという言葉をつかいたがるのか?混率を正確に明記したがらないのか。5%でもポリエステルが入っていたらTCというのが正しい表現ですよ、日本では。

林与が5%ポリエステル入れたリネン糸を使うとしたら、それをリネンとは謳いません。ある安く買って高く売りたい問屋の方が、麻なんて5%でも10%でも入っていれば、綿麻が謳えるからみたいな話をされてて、まあ、国際レベルで、そういうのに似た商売にどんどんとなってきたようなエコやサステイナブル業界。繊維業界の基準というのは揺るがないけど、認証機関の基準というのは揺らぎまくってどんどん落ちているのも、基準からしてサステイナビリティがないような気もする。消費者がオーガニック信じるような謳い通りの元の基準に戻ってもらいたいなあと思う。


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