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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

儚さ

2010年12月23日

今日は朝から加工工場に伺っておりました。加工工場の中にはお若い方もたくさんおられるのですが、職人さんぽい、おじいさんが布の動きを眺め、機械を調整されながら仕上げをしていかれるのを眺めることができます。

このおじいさんが休まれたり体の具合が悪くなったら仕上がり状態が変わってくるのだろうなあとかかんがえると、布というのは糸という材料だけでなく、それに携わられる方の職人的な技術と判断による匙加減的な要素が大きいと思います。

全てを機械に任せる世界ですと世界のどこでもいつも同じものができあがるので、どこか漂う儚さがなくなり価値が生まれにくいと思います。60歳を超えておられるおじいさんが、現場で布の流れる調子をみながら一日中、バルブを閉じたり、開いたり、仕上げの機械を調整するために動き回られているところをみると職人芸だなあと感じます。

もし、これを逆に若い人がやっていたとしたら器用だなあと思うくらいなのでしょうが、年季の入った方が、頑固そうながらもテキパキと動いておられると単に技術ではなく、1秒1秒が勝負であるという現場を守っておられる真剣な気持ちも伝わってきます。若い人に気持ちの面でも抜かれたら職人は終わりだと思います。


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