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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

お客様

2011年04月12日

朝一番に、「幻のリネンプロジェクト」に使う機材の件で電話をいただきました。簡単なテストは終わりまして、本数を増やすために機つくりからはじめています。実際にリネンの600番手とか800番手を超えるような織物が織れるかどうかはやってみないと分からないので、とりあえす、失敗をしても、それが経験につながるので前に進みたいと考えています。林与自身も、ビンテージアイリッシュリネン140番手の糸で細番手プロジェクトは形になりましたので、次は、どうせやるなら人類未踏のリネンの細番手の領域に挑戦できないかという気持ちで着手し始めました。影で支えてくださる皆様が多いのに感謝いたしております。

お昼前に加工工場に反物を取りに行きました。仕上げ場のおじさんはいつも私の顔を見るだけで私が取りに来るのが分かっていたかのようにその反物がどこにあるのか教えてくださいます。昔からずっと作業をしておられれる方なのでかなりお年もとられてきたとは思うのですが、すべてにおいて若い人に勝る力をもっておられるのでその現場を守っておられる感じがします。仕事に無駄が見られないのが素敵です。

昼過ぎからは出荷関連とそのほかの事務処理を行いました。4時ころに岡山からミセス・モトコの社長ご夫妻がお越しくださいまして、初めてのお出会いでいろいろとお話をお聞かせいただきました。明日からジェイアール名古屋タカシマヤさんで催し物をされるということで、途中滋賀県を通られる際にお立ち寄りくださいました。ハイミセス向けのブランドさんですのでご興味のあられます皆様はジェイアール名古屋タカシマヤさんに脚をお運びくださいませ。

一番感じたのがものづくりへのこだわりを持っておられることです。昔の布がなくなるということで温度管理のされた倉庫に布を保管しておられ、それを将来に残そうとされているあたりのお話もさすがだなあと思います。素材からしまして昔のものに価値を感じておられるところ、トレンドが終わったものに対しても価値を感じ続けられる目というのはものづくりの側から見る目なのだと思います。ブームのときに作ったものとブームでないときに作ったものとの価値は作る側からするとそれほど変わるわけではないのです。

「糸はどこの糸ですか」というご質問をいただくことが多いのです。作っているものがどこまでわかっているかというのは微妙なところだと思います。たとえば、アイリッシュリネンにしましてもそうですが、フレンチリネンという言葉にしましても、本当にフランス産なのかというと、フランスに紡績工場があるのかという問題になり、また、大手メーカーさんなどもフレンチリネンを謳いながらも、最近は、フラックス原料は、フランス産あるいはベルギー産という表現に書き換わって来ているのは、販売や企画される側の皆さまにも少しづつリネンに対して正しい知識が浸透し始めてきたのだと感じます。私自身、同じメーカーの糸を使っていても染めの問題やいつもとは違う癖のあることがあったりしますので、グレードが変わったのかなどと問い合わせることもあったりはします。糸に関して言えば、最終的な品質を守るためには糸自体も大事ですが、その糸を販売される人の考え方が同じく大事だと感じます。


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