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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

リネンの染色

2009年09月13日

今日、10年前まで麻糸を染めていただいていた、70代の大阪の染工場の専務さんと電話で3時間ほどお話しました。麻の染を専門にやられていた染工場で、その方も、若い頃にドイツでリネンの染を勉強された技術者で、引退されたものの日本では一番麻の染めに関しては良く知っておられる方の一人です。

いろいろと染のことを相談させていただいたところ、リネンをきれいに染めるための秘密というのも教えていただきました。きれいに染めるためには、やはり、手間を掛けておられたのだなあと実感します。

林与が、アイリッシュリネンの140番手を先染でやるんですよと、お話しましたところ。そんな糸できるんですかと驚いておられました。染めた後の糸の扱いの予想される問題点をご指摘くださいました。さすが道を究めておられる方だなあと、思います。弊社が困るだろう部分を的確に予想してくださっているのです。林与も染の壁だけでなく、超細番手を織るという壁にぶつかりました、そこで、3つの大きな問題を解決して、通常は織れないとされる超細番手が織れるようになったことを説明しました。染に関しても林与の織機に合うような染上がりになるよう細かな指示で依頼します。

今、リネンの原料や紡績技術が低下している中で、良い原料を使い、高い紡績技術で作られた品質の高いリネンを見つけることは大切なことなのですが、品質の高いリネンであっても染の質が悪ければ、染め上がった後に品質の高いリネンとはいえなくなってしまうのです。林与は現在染をやっておりませんが、何十年もリネンの染をやられて極められた染のコツを伝授いただきました。現代では難しい、日本の手間隙を掛けた技術として心の中にしまっておこうと思います。

どこまでも品質を追求していくと、F1クラスのリネンとなってしまって、売るのが難しいほど高くなるのですが、そういうこだわりをもつことこそが、単なる量産向けの工業製品として作るのではなく、芸術品として顔をもつリネンの世界なのだと考えています。


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