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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

3月の予定

2012年01月12日

今、2月末くらいまでの予定が埋まってしまいましたので、3月くらいからの生産の予定を組み始めています。アパレル関連の今の春夏のものというのは大体このあたりで生産の予定は終了になります。2月くらいからアパレルさんの2013年の春夏向けの企画が始まります。1年前から企画を組んでバルクでのお話を前提に進むのが本来のアパレル向けの企画で、1ヶ月でつくるものづくりと、1年掛けてつくるものづくりとでは、かなり思い入れが異なるのも事実です。

ワインなどの世界などでもそうですが、工場の中で化学的に合成して作ったほうが品質は安定していて味も均一です。でも、本当の味を知る人からすればそれはよいものではなく、本格的に醸しての味というのは仕上がりにばらつきがあるのが本来で、本物志向の方こそその意味がわかるものです。そこで、何年の品は良いとか悪いとか、一方で悪い年ほど希少価値が高まったりするのが天然のものなのです。それを代用するがために、合成酒などが出てきて、それを楽しむのも良いことではあるとお思いますが、合成酒を良しとすれば、それはそれで安くて安定したものが作れます。

一番簡単なのは、どこかで探してきてラベルだけを変えるような手法が、一番、楽なものづくりで、それが今の時代の王道的なものづくりであることはご存知の方も多いとは思います。林与も織幅の問題で、広い幅が必要でしたら本番は外部にお願いして生産も可能ですとお客様の希望を鑑み提案することもあるのですが、ほとんどのお客様は、狭くても林与が手がけている度合いの大きいものをほしがってくださいます。実際、自分で作るよりも外部で生産するほうが安くつくれることのほうが多いのです。突き詰めていければ、自分で見本を作るよりも、見本を配っておられるところの生地を提案するほうがバリエーションも増え、リスクも少なく楽なのですが、楽に逃げると他と代わり映えのしない味のない世界です。

私自身考えるのに、インスタントラーメンってどうして変わらないものなのに究極のものというのができないのかなあと思うのです。そんなものができれば売れて売れて仕方がないと思うのです。でも、よく考えると、いつも同じ味のものというのは飽きちゃうんですよね。揺らぎみたいなものがあってこそ、価値が生まれることのほうが多い。

京都にも、全国にチェーン展開しているラーメン屋さんがあったりしますが、本店のラーメンはやっぱり本物でスープから正しく取っています。毎回、味に揺らぎがあったりするのですが、許容範囲にさえ収まっていればそれはそれで、本物の味なのです。チェーン店のものは、大きな工場で一貫生産されていて揺らぎが少なくいでしょうが、それはビジネスであり、マニュアル化されてしまって、目の前で調理している人の味の追求みたいなものは少ないのです。

それを考えると、リネンの仕上がりというものが毎回微妙に異なり、また、時間とともに変化していくのでそれはそれで本物としての価値ではないかと思うのです。


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