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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

須山伊賀蔵氏

2012年02月02日

林与で現在使っているシャトル織機は、1886年創業の須山式織機製造所というメーカーの織機です。力織機のパイオニアである須山伊賀蔵が起こした会社の織機で、日本の力織機のパイオニア的なメーカーではないかと思います。豊田式や鈴木式が須山式に学んだことも多いのではないかと思うところです。

須山式織機製造所も1971年に廃業で、力織機とともに消えたメーカーだといえます。
現在は東洋精器という会社に移り変わり織機は作っていません。1970年代になってくるとシャトル織機の時代からレピア織機の時代へと移り変わりのころです。私が推測するに弊社に10台あるのは50年ほど昔の織機ではないかと想像をしています。

そんな古い織機ではありますが、36(サブロク、36インチ、91cm)ではなく、44(ヨンヨン、44インチ、112cm)の織物を織り上げることができますので、林与にとってはベストな織機です。時々、複雑なことをしようとすると織機の調整には苦しむこともありますが、そんなに古い織機でありながら、今の織機では織るのが難しい、リネンの超細番手の糸を織りこなせるというのは奇跡的です。

展示会などに行っても、リネンの100番手以上のものを織ったタイプは、日本製の織機は最新式だからだといわれるのですが、そうではないところがミソなのです。最新式の織機というのは、人に優しくなく、昔の織機のほうが、カマチなど人が触る大事な部分は木でできています。さすがです。

これが鉄でできていると手に響いて人が扱いづらいので、織機の感触を体感することが難しく、織機と一体となることは難しいと思います。林与の織機のカマチや杼台は、レストアされてあまり削れていませんが、木製の部分というのは何十年も手で使い込むと、人の手の形を反映して削れてより持ちやすいように変形していきます。使いやすく進化するのです。それが石や鉄だと高速に動いていると人の体が毎回痛みを感じるので逃げてしまい、一体化することはできません。

今日は、大雪な感じで冷え込んで車も雪の上を走るので怖いです。国道沿いのお店に食べに行こうとしてもどこもが、開店なのに、駐車場が雪で埋まってて入れる状態ではなく、お店の中の人というのは、今日は雪が降ってお客様が来ないなあと思っているでしょうが、それは、駐車場の雪のせいです。雪解けをして車が出入りしやすい駐車場のお店はお客様がおられます。飲食店は接客業でありながらも、ほとんどのお店の方が駐車場の雪除けをしないのが不思議でたまりません。


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