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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ジャガード

2012年03月12日

今日はほんと寒いです。雪もまた降りました。今日は、新しいマス見本を作ろうとジャガードの紋紙を探していました。ジャガード織機の上はジャガードの機械がついているのですがそこが部屋になっていて、紋紙がたぶん400柄分くらいあります。至るところに平置きにしてある感じで、一応は10番ごとに積み重ねてある感じなのですが、これをなんとかしようと、ビニールの袋に1つ1つ入れてみました。

今までは、紙がばらばらとずれて動かすのなど紋紙を傷めないように気を使っていたのですが、大きなビニール袋に入れたことで番号も識別しやすくなり、紋紙を置いている場所以外のところを整理もしやすくなりました。今までは、棚を作って紋紙を整理したらどうだろうかとか考えていたのですが、ビニール袋に入れる方法が正解のような気がします。

来年の春に向けて新しい紋紙もいくつかは作っていこうと考えています。パリに1週間いたときにも手の開いた時間に柄をいくつか考えてみました。自分で自由に柄組ができる電子ジャガードがほしいなあと思うこともあるのですが、紙の紋紙というのもどうしてこんなのがうまく働くのだろうかと思うところが案外織物らしい味のあってよいものです。

ジャガード織機の利点というのは、大きな柄が作れるだけではありません。ジャガード織機とドビー織機を比較すると、ドビー織機というのは案外癖が出やすいものです。平織りなどでも生機の状態でみますと、4枚ドビーの場合は4本、12枚なら12枚ごとに癖が出るのが普通です。この癖というのは織物加工するとたいてい消えるので問題ないことが多いですが、ドビー織機のもつ開口時に掛かるテンションさによる問題のひとつです。

ジャガード織機というのは、1本1本をコントロールしますので1本1本テンションが違ったりして案外その問題がおきにくいのです。ジャガード織機は、ドビー織機よりもいろいろなことができると思われがちですが、ジャガード織機で平織りを織ることはよろしくありません。原理的には平組織の紋紙を作れば織れないことはありませんが、目飛びなどの問題が起こりやすいので、平織りのものはタペットやドビーに掛けて織るのがよいのです。

ジャガード織機のほかの欠点は、織機の規格を変更しにくいということです。1台の織機の縦の本数を変更することが容易ではありませんので、縦の本数ごとに織機が必要となってきます。吊りを変える作業などは大仕事ですので、通常はひとつの織物を織るために吊りを変えるようなことはしないのが普通です。


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