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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

暑いですね。

2012年04月28日

今日は、車で走っていても暑いなあという夏を感じさせる陽気でした。今年は、桜も遅く寒い冬だったので、ジンクスとしては冬が寒ければ夏は暑いという流れが当てはまりそうです。これが異常気象というよりも季節が正常化したように思うのは私だけでしょうか。

先日ですが、近くでスズメがいるのを見ました。スズメなんて子供のころは毎日見るのが当たり前だったのに、今は、見かけることが少なくなってしまって、久しぶりに見たので今年に関しては環境が戻り始めているのではないかと思います。

ゴールデンウィークが始まったということもあって田植えも始められているようですが、林与はもう田んぼをしていませんので、田植えとは無縁なので農業のことはえらそうなことは言えません。でも農業のように自然に対して労力を使う作業をして食べ物を作ることは仕事の基本だろうなあと思います。逆に言うと、自分が働かなければ食べるものが手に入らないというような厳しさがあるところが、やっておられる方々を偉大に思えるところです。

農業というのはやれば確実に取れるというのではないところも仕事の本質的な要素を兼ね備えている部分ではないかと思うのです。農作物に価値があるのは、そんな不安定なものなので誰もが手を出せるものでないところではないでしょうか。ビルの中で一本の木に1万個のトマトが栽培できる技術があったとして、ビタミン剤がトマトの形に進化しただけのような。

技術的に進化した形というものがものづくりの本質を欠いてしまっては、そのものに宿るものも変わり果て本質を持ったものが消え果るというような悲しい結果に終わることも多いものです。たとえば、農作物で品種改良が重ねられたものが安価な産地に持ち出されてその品種改良という地道な努力を奪い取ってしまうというようケースはよくあることです。

日本の繊維業界がかつてよいものを作れた背景には、全体がチームとしてものづくりを支えていたところがあったといえます。それは今の時代のジャストインタイムな方式とはまったく別の方式で、私自身はその方式が日本的な方式だとは思っていません。ジャストインタイムな方式というのは、戦後の高度成長期の利己主義的な経営というのが本質で、最終は海外生産に移行してしまうようなものづくりだったりしてしまいまうので、日本的なものづくりを守ることができず、技術流出につながり、頭を使っている他国に技術を奪われて次の世代というものは日本ではやっていくのが難しくなるだけです。

今日は午前中には、近くの裁断屋さんが弊社に来てくださいました。裁断というものは洋服などをつくる一工程に過ぎないと思われるかもしれませんが、その裁断工場自体が、消えつつあるというのも、ジャストインタイムの弊害であったりいたします。そろそろ経営の専門家の皆さんも気がついてもいいんじゃあないでしょうか。


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