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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ストールの長さ

2013年09月26日

ストールの生機をストールを加工上げすると、長さが5%ほど縮みます。これも糸の組み合わせによって微妙に長さの調整が必要です。極端な話、同じ種類の糸でも色が違えば、収縮率というものは変わってくるのです。

特に、リネンの濃色と薄色では収縮率が異なります。これは、麻の染が得意な複数の染色工場に確認をした結果としても、たとえば反応染料では、黒が一番、縮みが少ないのです。このことが麻業界で、麻のものを企画しようとするときには様々な問題を引き起こすことになり、時折、色ごとに対応を迫られることがあるのです。

ストールの長さに話を戻しまして、今日、発生した問題では、一枚ですが長さ確認用のサンプルを作って長さを調べたのですが、それを元に最初の何枚かを織ってみると、最初の1枚とその何枚かの生機の長さが5cmほど異なるのです。原因が不明ですが、こういうことに気が付いたので、至急、別の織機でも同じ設定で違う色を織ってみて、何が正しいのかを再確認しました。最初の1枚の長さがイレギュラーであったようで、最初の織り出しの長さが違うようなことはあったりするものです。

繊維業界の皆さんがよりどころにされる検査結果にしても、反末をカットして使われているので、その数値というのに収縮率一つにしても信憑性があるのかというと、一番乱れている部分での検査になっています。検査数値が悪いときには、反物の3mほど中をカットして再検査すると数値が極端に改善するというのは、考えてみると当たり前のことですが数値に縛られてしまっているとそれに気が付かないものです。

私自身、キッチンクロスなどのパネル的な柄物などは加工での収縮率を計算しながら生機での規格を決定するなどで、生機でどこまで同じに調整をしても、加工ごとに長さが替わったりすることがあったりするのを認識しています。加工工場の中でも、反物を繋ぐときに、どこまでまっすぐにミシン掛けするのかでも変わってきますし、繋ぐ際に使うダミー生地の幅が、加工する生地の幅よりも広ければ、加工する生地というのは最初引っ張られぎみになって最初のほうは生地が伸びて加工されることになります。今回のストールの最初の一枚の長さが不安定なのも同じような要因が絡んでいることがあるのではなかろうかと。


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