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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

濃度

2013年11月14日

近くを通ったので、昔世話になった生地問屋さんに立ち寄ると、同年代の息子さんが会社を一人守っておられる。今は生地問屋さんとしての仕事はされていないが、昔のまま社屋を保たれていて、10数年前と変わらない気がする。

興味深いのが、その会社の先代が亡くなられるときに、遺言として「繊維はするな」、ということをいわれていたそうで、息子さんはそれを守っておられる。仕事の一切を辞めることで会社を守るようなスタイルというのも現実的に成り立つもの。下手に仕事するとすべて失うというのも、繊維の仕事の現場を見ていて、何十年の年配の職人や経験者が仕事しておられても何が正しいのか分かっておられないことも多いもので、気の緩みのある人の仕事は織物に正直に表れる。社内社外関わらず、そういう人がものづくりの流れの中のどこかにいるとすべてやった仕事を台無しにするもの。ある仕事さえも消えてゆくことは多い。

また、3年ほどしたら立ち寄りますね、と言って私は帰路に着いたが、たぶん、その会社は3年後もそのまま、動き回っている林与のほうがそのときにどんな風なのかは分からない。自分がスタイルを貫いたとしても、それぞれの時代がそのスタイルを良いとするのか悪いとするのかで、自分のスタイルに対する外からの評価は変わる。一人の人間のモラル以上に、世の中のモラルというのは現金に移り変わるもので、政治なんかを見ていても、数年後には、正反対のことですらも正しいとしてしまうのが世の中というもの。

小さく守ろうとするものですらも、そういうものに便乗して横取りしてしまおうとする力が常に働くもので、小さく守ろうとしているものは外気に触れないようにして小さく守っていないとどんどんと薄まって行ったりもする。外に出すなら出すで、薄まらないように気をつけていくことが大事だろう。


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