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リネンや麻を織る日々をつづっています。

リネン日記

ようやく

2014年12月05日

ようやく、細番手の縦糸に糊がつき上がってきた。仕事は手一杯になって、それは林与だけのことではなく、どこもが手一杯。仕事があって仕事ができない。これは日本の構造的な問題であろう。

今日もある工場さんと電話で話をしたが、町工場というのは一つの専門的な部分しか知らないという限界を強調された。でも、最終的な生地という話になると、生地をつくるものが自分がつくりたい生地がつくれる環境にないとなると難しい。間に人がはいるといろんな制約が増えるのは今までも経験済みで、注文を下さるお客さんにしてもそうだし、逆に、弊社が仕事をしてもらう場合も同じ。値段のことが大事な方が多いと思うが、それも話できずに商売の話をするというのもナンセンスでしかない。

他人の力の下で加減しながらのものづくりが続くと、それがいつのまにか自分のものづくりのスタイルになり、ほかの人のものづくりに追い越されてしまうのは必然であろう。今、世界を見渡せば繊維の世界で日本のプロは出来ないが増えすぎてきている。とくに、新しいものをつくるとかが減って、真似して似たようなものをつくるばかりに。

産業の高度化というが高度化しすぎると、「寸借詐欺」「振込詐欺」「泥棒」とかにたどり着くだろう。自分で育てるということが大事で、生産するということもお金ではなく本質的な冨と幸せを人類にもたらすものだと思える。繊維というのは非常にまともで悪い仕事ではないと常々思うのだ。儲け主義に偏ると働かないで稼ごうとするから、そんなんを理想にしていたら末期は近くなると思う。


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